SSRIが薬効を示すメカニズム(と考えられている)(6/15)

SSRIが薬効を示すメカニズム(と考えられている)

 下のイラストは、「ニュートン別冊 精神科医が語る 精神の病気」による健常者のシナプスです。


 シナプス間隙(かんげき)にセロトニンが放出されることで、信号が次のニューロンへと伝わっていきます。セロトニンは、「セロトニントランスポーター」というたんぱく質によって回収され、再利用されます。

 下のイラストは、B.うつ病患者のシナプスとC.抗うつ薬を投薬した際のシナプスです。


B.うつ病のニューロンでは、シナプスに放出されるセロトニンの量が少ないため、ニューロン間の伝達情報が十分でなく、ニューロンの活動に支障が生じます。
C.SSRIは、セロトニントランスポーターによる回収をおさえる働きをもちます。そのため、シナプス間隙のセロトニン濃度があがり、ニューロン間の情報伝達効率が上昇し、ニューロンの機能を向上させると考えられています。こうして、ニューロンの機能低下によって生じていると考えられるうつ病を改善すると考えられているのです。

 上記Cの抗うつ薬の作用機序(効果を及ぼす仕組み)は、まだ十分に解明されていません。 

 抗うつ薬の作用機序が十分に解明されていないとうことは、仮説で作用している薬を服用するということになり、予期せぬ危険性を含んでいる可能性があるのではないかと思います。ガンにしても、新型コロナウィルスにしても、その他の細菌やウィルスは電子顕微鏡で見ることができ、それに対して効果を確認しながら、新薬が開発されていくのではないでしょうか。

 

 仮に、上記の作用機序が仮説通りだとして、SSRIがセロトニンの回収をおさえ、セロトニン濃度を上げるといった考えは、対症療法であり根本的な改善になるとは言えないのではないかと思います。また、セロトニントランスポーターによって再利用のためセロトニンが回収されるということは、再利用する意味があってのことではないでしょうか。それをSSRIで阻害するのは不自然なことであり、何か問題が生じても不思議ではないように思います。根本的な改善を目指すのならば、シナプス小胞の数を増やしセロトニンを増やすことではないでしょうか。

参考文献:「ニュートン別冊 精神科医が語る 精神の病気」 2019年4月5日発行

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