軍隊を禁じた国〔コスタリカ共和国〕(8/19)

軍隊を禁じた国、コスタリカ共和国

<インターネットより引用>

通称コスタリカは、中央アメリカ南部に位置する共和制国家です。北にニカラグア、南東にパナマと国境を接しており、南は太平洋、北はカリブ海に面しています。首都はサンホセです。国土面積は51,060 km2で、人口は約500万人である。首都であり最大都市であるサンホセには推定333,980人が住んでおり、周辺の都市圏には約200万人が住んでいます。

なぜ軍隊を禁じたのか

 「もう二度と、軍隊が政治に関与する悲劇を繰り返さない」。1948年、1人の指導者が兵舎の壁をハンマーで打ち砕き、軍隊の廃止を宣言しました。なぜコスタリカは軍隊なき国家への道を選んだのでしょうか。

ホセ・フィゲーレス・フェレール

 1948年、コスタリカは選挙不正をきっかけとした激しい内戦に揺れ、2,000人以上もの命が失われました。この悲劇を収束させた臨時政府の指導者、ホセ・フィゲーレス・フェレールは、国の分裂と暴力の元凶が軍事力そのものであると断じます。そして同年12月1日、彼は首都サンホセのベジャビスタ兵舎の壁を巨大なハンマーで打ち砕く象徴的なパフォーマンスを行い、軍隊の永久廃止を国民に宣言しました。翌1949年に制定された新憲法第12条で「恒久的な制度として軍隊を禁ずる」と明記され、法的に確立されました。これにより、コスタリカは世界で初めて自らの意思で軍隊を完全に放棄した国となったのです。

決断の理由1:内戦の傷跡から「武器より教育」へ

 国民が互いに銃を向け合った内戦の記憶は、「武力が再び社会を引き裂くことは許されない」という強い国民的コンセンサスを生み出しました。「軍隊は兵士より多くの警官を生み出すよりも、多くの教師を生み出すべきだ」と語ったフィゲーレスの信念のもと、軍事予算は教育、医療、福祉といった国民生活の向上に振り向けられることになります。

決断の理由2:国家の未来を「幸福と発展」に全振り

 軍隊廃止により、国家予算の大部分が人々の暮らしのために使われるようになりました。結果、コスタリカは識字率97%超、平均寿命80歳超(中南米トップクラス)を達成。安定した民主主義と社会保障制度を背景に、各種の「幸福度ランキング」で常に世界の上位に名を連ねる国へと変貌を遂げました。

決断の理由3:巧みな外交による「現実的な安全保障」

 1983年、コスタリカは「永世中立」を宣言。しかし、これは単なる理想論ではありません。米州機構(OAS)の集団安全保障体制への参加や、隣国との紛争を国際司法裁判所に委ねるなど、国際法と多国間協力を最大限に活用した、極めて現実的な安全保障戦略です。また、冷戦下における米国の暗黙的な庇護や、侵略のうまみが少ない地政学的条件も、非武装政策を後押ししました。

軍隊を捨てた国、コスタリカはなぜ平和でいられるのか? その決断と75年後の真実 | ワールドガイド
「もう二度と、軍隊が政治に関与する悲劇を繰り返さない」。1948年、一人の指導者が兵舎の壁をハンマーで打ち砕き、軍隊の廃止を宣言しました。なぜコスタリカは軍隊なき国家への道を選んだ→ 続きはこちら

軍隊なき国家は国民の安全につながるか?

 コスタリカは、「永世中立を宣言」「米州機構への参加」「紛争を国際司法裁判所に委ねるなどして、軍隊を持たなくても戦争を回避してきました。冷戦下における米国の暗黙的な庇護や地政学的条件も非武装政策を後押ししているようですが、コスタリカは何よりも永世中立を宣言し、他国との協調主義を大切にし紛争の原因を極力生まない積極的な外交姿勢を貫いていると思います。他国と協調していく外交こそが戦争を回避し、ひいては国民の安全につながっていくと考えます。

 軍隊を持つと戦争になる原因を生み出すのでは?

 コスタリカの指導者、ホセ・フィゲーレス・フェレールは、国の分裂と暴力の元凶が軍事力そのものであると断じ、軍隊の永久廃止を国民に宣言しました。私はホセ・フィゲーレス・フェレールは平和主義者で心から争いをなくしたいと考え、軍隊を永久廃止する決断をしたと思います。

 現在も、ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとガザの戦争、イスラエルとイランの緊張など、世界中のどこかで悲惨な戦争が行われています。また、北朝鮮が核を保有したり、核を保有しようとする国も増えてきているように思います。

 軍隊を持ち、強化すればするほど軍事産業が利益を出し潤います。そして、紛争を解決する手段として武力の行使を否定しない一部の指導者が、戦争を起こさせる原因をつくり「大義名分」のもと、戦争を起こし武器を使い、尊い人命を失う悲惨な状況が現実のものとなってしまいます。そこには何の罪もない子どもや女性も巻き込まれてしまいます。

月ごとの投稿
政治・国際情勢