多くの国民が象徴天皇制や戦争放棄に賛成し施行された現行憲法(5/8)

 高市首相は、「憲法は時代の要請に合わせて本来、定期的な更新が図られるべきだ」と述べ、改憲に意欲を示しています。更に首相は、現憲法が敗戦直後の占領下に米国に押しつけられたという考えを持っているようで、2000年の衆議院憲法調査会で、「アメリカの心ではなく日本の心を持った、私たちの時代の私たちの憲法を書き上げる強い決意」を示しています。
 ほんとうに改憲が必要なのでしょうか。改憲は私たちの生活に大きな影響を及ぼす可能性が高いと、たいへん懸念しています。

現日本国憲法は近代立憲主義の基本原理を確立した憲法

 日本国憲法は、国民主権基本的人権保障権力分立平和主義(戦争放棄)など、近代立憲主義の基本原理を確立した憲法として、世界の憲法の中でも優れた内容を持っています。そして、その当時の多くの国民は、象徴天皇制85%、戦争放棄70%が賛成していたのです。
(芦部信喜他編『日本国憲法制定資料全集(4-1)』2008年443頁参照)

 鈴木安蔵らの憲法研究会案が強い影響力を与えていた

南相馬氏に残る鈴木安蔵の生家
<Wikipediaより引用>

 上の系譜を見ると、確かにマッカーサー草案が押しつけたように見えますが、憲法研究会案がマッカーサー草案に強い影響を与えていたことが分かります。憲法研究会案というのは、日本の自由民権思想の研究者であった鈴木安蔵(すずきやすぞう)らの憲法研究会が提出した草案です。

 日本の自由民権運動は明治期に民衆運動として盛んになり、フランスの人権宣言などの研究も早くから行い、「五日市草案」などの私擬憲法草案を生んでいます。明治期にすでに勃興していたこうした自由民権の活動を研究し、いわば結集させたのが鈴木安蔵らの憲法研究会案で、そこには、国民主権男女平等などが謳われていたのです。

アメリカの憲法を超えるものだった


<インターネットより引用>

 近年、この民政局メンバーたちが、当時の状況を語っています。そのひとり、ベアテ・シロタ・ゴードンによれば、彼らは当時の最もレベルの高い新しい憲法原理を取り入れることを目指していました。それはアメリカの憲法を超えるものだったのです。

 その意欲は、アメリカの憲法には謳われていない社会権の保障や、家族における男女平等個人の尊厳を掲げた24条、平和的生存権を謳った前文など、日本国憲法の随所に見ることができます。

現日本国憲法は押しつけられたのか?

 天皇主権、権力集中、基本的人権の否認を推進している人たちから見れば、押しつけられた憲法と考えるでしょうが、国民主権、基本的人権保障、権力分立、平和主義(戦争放棄)など、近代立憲主義の基本原理を確立した憲法として、世界の憲法の中でも優れた内容を持っているのが現日本国憲法なのです。
 そして、当時の国民は、象徴天皇制85%、戦争放棄70%が賛成しました。なぜ、賛成したのでしょうか。悲惨な戦争を体験したからではないでしょうか。

 戦前の多くの国民は、政府や軍部が発信することを信じ、先の大戦を賛成していきました。人は体験することにより、実感が伴ってきます。「お母さんの木」のお母さんは、息子たちが戦争に行った時には、「お国のためにてがらをたててきなさい」と言っていました。しかし、息子たちの戦死の知らせを聞くたびに、「息子たちを返してください。てがらをたてんでもいい。無事に帰ってきてほしい。みんなで反対していればこうはならなかった」と、戦争の悲惨さを実感し、考えが変わったお母さんの声が思い起こされます。

 現在でも世界のいたるところで悲惨な戦争が起こっています。罪もない子どもたちが犠牲になっています。私たちは日本国憲法(平和憲法)を保持している国民として、戦争を起こしている国々に「戦争を止めるべきだ」と訴えることが大切かと思います。

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