炎症や有害物質を体内からなくしましょう
実際、食生活の偏りから、代謝の材料が供給できていない発達障害の子どもは多く見られます。それでは不足している栄養素をとればよいかといったら、そうではないのです。実はメチレーション回路にはあらゆるところに阻害因子が存在するのです。
例えば、腸をはじめ体の各部に炎症があれば、いくら補酵素や補因子になるビタミンやミネラルをとっても、トリプトファンからセロトニンはつくられにくいのです。炎症とは、身体の細胞や組織が病的、傷害性の刺激を受ける事で起こる生体の防御、修復反応です。つくられにくいだけでなく、炎症があると、トリプトファンは脳にダメージを与えるキノリン酸という別の物質に変わってしまいます。
富山のくすりやさんのブログより
また、水銀などの有害物質や腸カビ(抗生物質の使いすぎや糖質の取りすぎなどで腸に増えるカンジタなど)があると、いくらビタミン・ミネラルがあってもMTRを介した歯車がうまく回りません。メチオニン回路にメチル基が渡せず、重要なSAMをつくることができなくなるのです。これらの炎症、有害物質、腸カビは、腸内細菌叢(そう)(腸内細菌の集団)のバランスを悪くすることが多く、それによっても代謝が阻害されます。
しかも、腸カビはせっかくとったビタミンやミネラルを食べてしまいます。必要なものは体に入らずにカビの増殖に使われ、さらに代謝の回路が滞ってしまいます。また腸カビはシュウ酸という物質をつくります。シュウ酸はミネラルを排泄させるので、ますますミネラル不足に陥ります。
またストレスが多いと、それに対抗するためストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質ホルモンが増加します。すると、それによっても、メチレーション回路の多くの回路が止まってしまいます。
以上のように阻害因子を放置したら、せっかく必要な栄養素をとっても無駄になってしまいます。それどころか有害な物質ができることもあります。まずは炎症やカビ、便秘などの阻害因子をなくしていくことが大切になってきます。なかでも、最もトラブルのもとになるのが炎症です。
参考文献:「発達障害にクスリはいらない」著者:内山葉子・国光美佳 マキノ出版
ハチがとまっていました
空に向かって咲いていました