ご遺族Kさんの訴え(精神医療の被害に遭わないために)(その2)(11/18)

 「眠れない」という理由で一般的に睡眠薬・抗不安薬を勧められるそうですが、「人はいつか必ず眠くなります。過剰に心配する必要はありません」と力説される精神科医に鹿児島でお会いする機会ありました。向精神薬に対する無知とはなんと恐ろしいことなのか、そして医者選びが何より大切であったことを痛感しました。


 娘をなくした私がいまもっとも危惧するのは、何か生きづらい状況になると、いかなるときも一刻も早く専門医につなごうとする社会です。受験・仕事・出産・育児・介護・死別のみならず、ひと昔前ならやんちゃ坊主ですまされた子どもでさえ精神科医へつなごうとする現状です。その先で投薬によって蝕まれてしまった人たちがいかに多く存在しているかなど語られることはほとんどありません。少なくともわが家ではその認識は皆無でした。


 精神病院と呼ばれなくなって、メンタルクリニックと呼ばれる今、それはお気に入りのショップへ足を運ぶくらいの身近な存在になっています。でも、ちゃんと知ってほしい。この本に書かれたことが、いつか自分にも起きるかもしれないということを。つらい悲しい生きづらいことに直面したとき、安易に薬に頼るべきではないことを。今一度自身で、家庭で、友人と、問題の解決策を探してほしい。 

 私自身、娘の訃報を耳にしたとき、「精神科医に丸投げしてしまった」と心底後悔しました。母親として泣く資格も葬儀に出る資格すらないと家族に言いました。山口医師のすべてを信じていたわけではないのに託してしまったからです。自分の健康は自分で守る。そして当時、私が知らなかった、「メンタルヘルスは自分で守る」という言葉を、皆さん、決して忘れないでください

 受験・仕事・出産・育児・介護・死別、そんな中でつらい悲しい出来事から逃げ出したくなることは、生きている限り誰でも抱える問題です。それでも、どんなに生きづらくても、生き抜いてください

 最後に私が一番許せないのは、わが家はもちろん他の被害者も同様に、カウンセリングで聞き取った情報の中で山口医師は、自分に利用価値があると思うと、ちょっと元気がない人、やや神経質な人、やや呑気な人、ましてや穏やかな人ですら、一の真実に九九の出まかせの診断を上乗せして、いつの間にかその付き添いの家族まで精神障害者に仕立てあげていったということです。危うく私もそうなる寸前でした。

 被害に遭っても、今日現在生きている人は皆、守らなければならない人や仕事がありました。向精神薬を処方されても、ちゃんと自分でコントロールして服用していました。メンタルヘルスを自分で守ったのです。

米田倫康氏

 著者である米田さんが、娘を亡くして死んだように生きていた時期の私に「つらく仕事だけは辞めるべきではないない」と言い続けました。この言葉のお陰で今、私は生きています。今ならわかります。精神医療は人から責任を奪ってしまうという言葉の意味が。

 あのとき、投薬されて2週間経って娘が仕事に行けなくなったとき、「薬飲んで動けなくなるんだったら減らしたら?仕事だけはちゃんと行かなきゃ!」と言える知識があったなら…自分の命しか救えなかったことへの無念は一生消えません。

(つづく)

引用:「もう一回やり直したい」-精神科医に心身を支配され自死した女性の叫び- 米田倫康著(萬書房) 

 

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