発達障害の「正しい診断」は存在するのでしょうか(2/1)

 当ルームだよりの9月13日付でお伝えしました「安易に診断されている発達障害」について、更に専門家の視点から発達障害の診断は「正しい診断」なのかを考えてみたいと思います。

 私はこれまで、「専門家であれば発達障害を正しく診断できる」と、思っていました。おそらく、大多数の人はそう思っているのではないでしょうか。実は、これこそが最初に打ち破らなければならない幻想だと思います。

 私たちは、専門家や医療に対して大きな期待を寄せているために、医師の診断を疑いもなく受け入れているのではないでしょうか。当然、科学的根拠のある診断がなされているものだという認識がほとんどだと思われます。

 それはある意味無理もないことなのです。法令自体が「専門家は正しい」という前提で整備されているからです。2005(平成17)年度より施行された発達障害者支援法は、国を挙げて発達障害を早期発見するという目的で施行されました。

 早期発見のために専門機関につなげることが、最善であるという前提での法整備だったのです。そこには、専門家も誤った診断をするとか、たとえごく一部であってもずさんな専門家が存在し、甚大な被害が出ているという視点はまったくありません。

 そのため、保育士も教師も、健診にかかわる保健師も、少しでも発達障害が疑われる子どもたちを専門機関に診てもらうこと自体が、絶対的に正しいという視点で教育されているのです。私も例外ではありませんでした。早期発見が大切であり精神科や心療内科に診てもらえば、子どもは落ち着きを取り戻し、もう安心だと思っていたのです。

 それは、徐々に落ち着きのない子、すぐにキレる子、暴力的な子が増えてきて、学級が荒れる事態(学級崩壊)が見られるようになってきたため、何とかして落ち着いた学級になればといった思いもあり、専門家との連携の必要性を強く感じていたからなのです。そして、連携先の専門家が、正しい科学的な診断をしてくれるものと信じ込んでいたのです。

(つづく)

参考文献:「発達障害バブルの真相」米田倫康 著   萬書房

 

 

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