つらい思いをしながら食の取り組みで乗り切った(その2)(7/3)

「なにかにつけ気にしてイライラしていたのですが、『まあいいか!』と割り切って、嫌な感情を引きずらなくなりました。また、自発的に整理整頓するようになり、学校の先生からも、『進んでいろいろなことをしてくれるようになりました』といわれています」とお母さん。
 そしてなにより、気持ちに余裕が出てきたのか、とてもやさしくなったといいます。お母さんを労わって、「休んでいていいよ」といってくれることもあるそうです。

 うれしい変化が続くなか、りんちゃんは地球環境のことを本で調べたり、考えたりするようになっていきました。

「なぜ、自分は友だちと同じお菓子を食べられないのか」「なぜ頭が痛くなったり気持ちが悪くなったりしていたのか」と、化学物質過敏症の症状について、お母さんに聞いてきたことがあるそうです。そのときお母さんは、農薬や大気汚染のことを説明しました。それをきっかけに、地球の環境問題に興味を抱いたようです。

 その後も、りんちゃんの食の取り組みは続いています。頻繁にひいていたカゼもひかなくなり、学校も休まず通い、保健室に行くこともなくなりました。心身ともに調子がいい状態が続くなか、お母さんはこう話します。

「化学物質過敏症に対する解決策は、見つかっていないのが現状です。でも、個人差はあると思いますが、食の取り組みを続けることで、こんなにも我が子の体が楽になることに、驚きと喜びを感じています。心身ともに、本来のこの子に戻れたのは、本当にありがたいことだと思います」
 親子でつらい経験をしてきただけに、これからは、同じように困っている人たちに、この経験を伝えて、生かしてほしいといいます。

 発達障害については、化学物質の影響もしっかり考えていかなければなりません。大人が正しい情報を得て、子どもたちを守っていかなかればと感じます。

引用:発達障害にクスリはいらない 内山葉子・国光美佳著 マキノ出版

 

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