クスリ(コンサータ)による子どもの変化に恐怖を感じて…(その3)(6/23)

集中力が出て落ち着き、見違えるようにしっかり

 開始から1週間、兄弟げんか(誠くんにはお兄さんがいます)の際に、誠くんの方が譲る場面が見られ始めました。買い物に連れていくと、あちこち動き回ってたいへんだったのが、ゲームコーナーでも気を散らさず、スムーズにお母さんの後をついてくるようになったそうです。
 学校で急に教室を飛び出すことも多かったのですが、2学期になると、動き出す前に先生に許可を得るようになり、先生から「落ち着いてきましたね」といわれました。また、いつも目の前のことで100%になり、話しかけられても答えがおざなりだったのですが、聞かれたことに順序立てて答えられるようになってきました。

 小学校入学前に受けた発達検査(WISC検査)では、「言語理解」が74という数値でした。2年生の3学期(3月)に再度受けた結果、101へと上がり、2年間の誠くんの成長ぶりがあらためて示されました。
 3年生になって初めての家庭訪問では、普通学級の担任の先生に「今、特に問題になることはありません」といわれました。

 家でも、宿題に集中できる時間がぐんと伸びました。前は気が散り始めると、ノートに1行書くのに数十分かかるときもありましたが、兄がゲームを始めても、「ぼくはあとでやる」と、宿題をやり遂げられるようになりました。

 4年生になると、剣道は習い始めた誠くん、ご両親は、剣道は「待つ」時間もあり、無理なのではないかと心配していましたが、見学に行って「やってみたい」という誠くんの意思を尊重して始めさせました。すると、集団の中でしっかり動き、必要なときは待って取り組める誠くんの姿がありました。

 食の取り組みを振り返り、「やはり家族みんなでやってよかったなあと思っています。本人だけでなく、家族も食を変えることで、よりいっそう落ち着いていくと感じました」というお母さん。

 その後も食の取り組みを続け、6年生からは通級教室に通う必要がなくなりました。現在(2020年2月)は中学1年生になり、剣道部で練習に励み、普通学級で過ごしています。

引用:発達障害にクスリはいらない 内山葉子・国光美佳著 マキノ出版

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