小泉農水相
小泉農水相が米不足や米価の高騰に伴い、米価を安くする目的で古古米や古古古米を5㎏2000円または1800円で販売できるよう、随意契約をしました。消費者にとっては一見喜ばしいことだと思われるのですが、私は腑に落ちなかったので古古米(2022年産)や古古古米(2021年産)について調べてみました。

古古古米を「白ご飯で食べる」
にはハードルが高い!
「おうちごはん研究所」は、古古古米を「そのまま白ご飯で食べる」にはハードルが高い、と述べています。
大きな違いはない!
しかし、新潟大学の三ツ井特任教授自身は試食した感想として「食べてみた感じとしては、それほど大きな違いはない」とも述べています。さらに、「玄米の状態で冷蔵庫で保管するのが一番良い。家庭用の精米機を持っていれば、食べる直前に精米し、精米後すぐに炊飯すれば、それなりのおいしさがある」とのことでした。
古古古米の状態
理由 | 詳細 |
---|---|
油脂の酸化 | お米に含まれる脂肪分が空気中の酸素により酸化(ヘキサナールをはじめとした成分の酸化が進んでいる)し、においや味の劣化を招く |
水分の蒸発 | 年月を経ることで乾燥し、食感が硬くパサパサになる |
香りの飛散 | 新米特有のふくよかな香りや甘みが完全に失われている |
保存状態の差 |
温度や湿度管理が不十分だと、より劣化が進むことも |
「おうちごはん研究所」によると、必ずしもすべての古古古米が「食べられない」わけではないようです。保存状態が良ければ、一定の品質を保っていることもあります。ちょっとした工夫や調理法の選び方で、十分においしく食卓に活かすことができるようです。
【食べ方の工夫】
1.チャーハンにして香ばしさをプラス
2.カレーやシチューと合わせてにおいを気にさせない
3.具だくさんの炊き込みご飯や混ぜご飯で風味を足す
4.雑炊・おかゆでしっとりやわらかく
5.ドリアやグラタンにリメイク
一方で、新米と比較して「古米臭(こまいしゅう)」として知られるヘキサナールをはじめとした成分の酸化が進んでいることが確認されています。ヘキサナールとは、Wikipediaによると「鎖状脂肪族アルデヒドの一種で、吸入や皮膚からの吸収により、健康に被害を生じる。目、呼吸器、皮膚に刺激性がある。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する」と書かれていました。
古古古米を白ご飯で食べるには、ハードルが高い、大きな違いはない、といった意見がありましたが、保存方法や個人の見解の違いなどが影響しているのでは、と思いました。それぞれの専門家に共通していることは、古古古米は冷蔵庫での保管、食べる前の精米、調理の工夫が必要になってくるようです。毎日を忙しく生活されている方においては、古古古米の扱いがたいへんになってくると思います。
古古古米に最も懸念されることは、健康に被害を生じさせる「ヘキサナール」が増加するということです。これらのことから、私は古古古米は活用しない方がよいと考えます。
小泉農水相は、ここまで米不足を陥らせてしまった農政の失敗を謙虚に反省し、早急に経済的に厳しい方々に給付金を出したり、滞っている米を徹底的に調査し補助金を出したりするなどして、2024年産米の価格を下げる対策を講じていくことが重要かと思います。古古米や古古古米で一時的に価格が下げたことに騙されないようにしたいものです。

