3月末に生産年齢人口(15歳から64歳)でひきこもり状態の人は50人に1人だと政府が公表しました。(推計で146万人)日本人の働く人が減り、最近は外国人が各方面で働いている姿をよく見かけます。日本人の働く力が弱くなり危機的状況に陥っていると思います。
現在引きこもっている方の参考になったり希望を持ったりすることができるのでは、との思いからMさんの承諾を得て、Мさんの取り組みを紹介します。
昨年の11月、私のところに、40歳代の女性の方(Mさん)から「閉じこもりで生活もままなりません。お力を貸していただけないでしょうか?1人ではどうしようもできません」といったカウンセリング申し込みのメールが届きました。
幼少期より両親から冷たい言葉を聞かされ続け、小3の時泣けなくなり、小6の時笑えなくなりました。10代後半になってリストカットをしたり摂食障害になったりしました。成人してしばらくは働いていましたが、「人から何か言われるのが怖い」といった人間関係に恐怖心を抱き、身の安全・安心を確保するために引きこもるようになりました。
引きこもりからの脱却
心理療法のアクセプタンス&コミットメントセラピー(アクト)を用いて、ネガティブな思考や感情に対しての対処の仕方を知り、価値に沿った行動を取る力を身に付けることを目標に、Zoomでカウンセリング(含むセラピー)を行ってきました。
◎6回目のカウンセリングの時、「花屋さんで1日仕事をしてきました」
◎9回目のカウンセリングの時、 「昨年の12月末から仕事に行っています。花屋さん、清掃関係の仕事をしています」、といったお話がありました。
Mさんの人生の価値は「誠実」「余裕」です。価値に沿ってご自分で仕事を探し、行動に移しています。1年後には黄色のワンボックスカー(ナンバーは8888)を購入している、ゆくゆくは静かな山間地帯で家を購入して犬と一緒に暮らしている、と長期のゴールを楽しそうに話していました。
Мさんが購入したいと思っている黄色のワンボックスカー
<インターネットより引用>
Мさんがゆくゆくは住みたいと思っている山の中の落ち着いた家
<インターネットより引用>
政治家と経営者の皆さんにお願いがあります
Мさんは現在、前向きに仕事をしようとしています。しかし、時給が安く困っています。日本は30年間物価は上がっても平均給与は上がっていません。時間給の全国平均賃金は2022年以降961円です。逆に企業の内部留保の伸び率は、前年度比6.6%増の516兆4750億円で17年度以降の伸び率は10年連続で過去最高を更新しています(2022年9月1日財務省発表)。
人々の賃金は上がらず、企業はお金を貯め込んでいる、そんな状況が続いています。多くの人は生活に困っています。お願いです。政治家や経営者の皆さんはこの状況に胸を痛めてください。政治や経営の本来の役の目は国民が安心して人間らしい生活を送れるようにすることではないでしょうか。
カウンセリング料金は1回1時間5000円ですが、Мさんと相談してМさんが継続できる金額にしました。これまで、1回目から8回目までは1週に1回、9回目から12回目までは2週に1回、13回目は3週後に、14回目は4週後に行いました。15回目からは4週に1回のペースでカウンセリングを行っていくことになりました。Мさんは経済的に自立していくことにより、カウンセリングの必要がなくなってくると思っています。