源は「世界最速」の響き〔義足エンジニア遠藤謙さん〕-小学6年生道徳の授業で-(10/15)

 本年9月に公立小学校で道徳の授業研究会に参加させていただく機会がありました。道徳の時間に使われた資料は「技術で『障がい』をなくしたい」-遠藤謙-(光文書院)で、目標とする道徳的価値は「真理の探究」でした。

遠藤謙さん 
出典:朝日新聞EduA 義足エンジニア・遠藤謙さん 沼津東高「世界最速」をつくって社会を変えたい 

 本資料に登場する遠藤謙さんは、自然な歩行ができるロボット義足の開発、高価な義足が買えない人たちのための安価で質の良い義足の開発、競技用の義足の開発に携わっています。遠藤さんが目指すのは、「技術で『障害』をなくす」ことです。この目標に向かって遠藤さんは次々に義足を開発しています。

2019年のパラ陸上世界選手権で100メートル予選に出場した両脚義足のヨハネス・フロアス(左)
出典:義足の可能性(1)最速ボルト 超えるのか 東京新聞 TOKYO Web

 授業では小学校6年生の子どもたちが、次々に義足を開発する遠藤さんの探究心はどこから生まれてきたのか、どのように努力を重ねてきたのか、探求し続けたのはなぜかなどを考えていきました。義足を装着した少女の満面の笑みを見ての遠藤さんの覚えた感動、それぞれの専門分野の人たちと一緒に広い視点から考える遠藤さんの姿勢、技術で障害を差別をなくすことの遠藤さんの目標などを、子どもたちは理解していきました。そして、私も人々の役に立つような仕事をしていきたいといった感想を述べていました。

 私は本資料で、遠藤さんの探究心のすごさの秘密を子どもたちが考えていくことだと思いました。「技術で障害を差別をなくす」と言うことは誰でもできますが、その目標を実現させることは並大抵のことではできません。

「遠藤さんは『技術で障害を差別をなくす』という目標を何回も何回も言っていたのでないか」「世界最速の義足を作った姿を思い浮かべていたのではないか」「努力!努力!と言い続けていたのではないか」などと、子どもたちが遠藤さんの立場に立って目標を達成するために考えていたことを発表し合うことで、子どもたちどうしが学び合う機会になったのでは、と思います。 

遠藤謙さん
出典:燦々ぬまづ大使/沼津市

 遠藤さんは、動画【義足エンジニア・遠藤謙「みらいのつくりかた」】で次のように述べています。「世の中にサプライズを生み出す。それがおもしろいことです。源は世界最速の響きですね。世界を変えらえるような可能性がある領域で研究しているというワクワク感があります」遠藤さんの言葉で注目したいのはワクワク感です。遠藤さんのワクワク感こそが前向きに取り組んでいこうとするエネルギーになっているのでは、と思いました。

遠藤謙 - Bing video

 

 

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