発達の時期によって起こる特有の症状(7/31)

 胎生期からの一連の脳の発達の中で、どの時期に炎症や栄養障害が起こったかによって、現れる症状が変わってきます。

 例えば、ダメージを受けたのが、「右脳と左脳をつなぐ脳梁が発達するときか」「右脳がより活発に発達しているときか」「その中でも基底核(大脳の中心部分)や前頭葉が発達しているときか」「左脳がより活発に働いているときか」「髄消化が活発なときか」「刈り込みの時期か」「シナプスが活発に増加する時期か」などによって変わってきます。


【右脳機能が低下しているとき】
 免疫システムが過剰に動き出すので、自己免疫疾患やアレルギー喘息を引き起こすことがあります。慢性的な食物過敏症を起こしやすく、リーキーガット(腸粘膜のふるいの穴が大きくなり、本来は体内に入れてはいけない異物などをいれてしまうこと)もより強く起こる傾向があります。 自分の体を感じられない状態となり、筋力の張力は弱く、姿勢を保つ筋肉が弱くなります。そのため、連携のとれた動きがしにくく、奇妙な歩行をして、つっかかったり、バランスを崩して転んだりします。

 対人関係では、社交スキルが低下しているため、状況にそぐわないことを口にしたり、人の顔や人そのものが覚えられなかったりします。
 創作力が低下しており、非言語的コミュニケーションが苦手で、読むことはできても、その文章が何を意味しているのか分からないという状態になります。好き嫌いが激しく、味覚が正常でないため、いろいろな食べ物を避けるようになります。注意力が散漫で、突発的で強迫傾向があり、1ヵ所を見たり、人と目を合わせたりするのが苦手になります。

【左脳機能が低下しているとき】
 免疫防御が低下するので、体内に細菌やウィルスが増えやすく、副鼻腔、肺、呼吸器システムが侵されやすいのが特徴です。不整脈も起こりやすくなります。物事を順番にすることが難しく、手先は不器用で、ルールのあるスポーツが嫌いです。ダンスやチームスポーツも苦手になります。

 自分を表現するのが苦手で自己啓発に弱く、自信がないので、他人からどう見えるか、何を着ようかといったことにとても気を遣います。半面、自分自身の感覚に非常に敏感なので、ほかの人を喜ばせたい気持ち、罪悪感や羞恥心などに押しつぶされそうになります。また、記憶力にも問題が生じます。

 右脳や左脳が受けるダメージが、発達障害、気分障害、不安障害などの精神症状となって現れてくることが分かります。これは遺伝子のトラブルが原因というよりも、胎生期や出生後の環境によって脳が影響を受けることによっての症状と考えてよいといえます。 
 ADHD治療薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬(小児の自閉症スペクトラムの易刺激性を抑える薬を含む)、睡眠薬を処方されようとされるお医者さんにお願いします。伝えていない方は、ぜひ重要な基本的注意をご本人やご家族の方に、正確に伝えてほしいと思います。

「発達障害にクスリはいらない」内山葉子・国光美佳著 マキノ出版 より

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