禁煙は脳科学コーチング(後編)(5/5)

  タバコを止めたくても止められないはずです。タバコの精神的依存度、身体的依存度は麻薬とほとんど同じだったのです。
私は教員生活最後の年、咳や痰が少し気になっていました。ドクターストップはかかっていなかったのですが、「よし、止めよう!」と決心しました。過去何回、決心したことでしょう。

 止めると決心しても止められなかったので、私が始めたのは30日間で徐々にニコチン摂取量を減らしていき、医学的にこの量まで減らせば止められるというパイプを使いました。そのパイプを使えば一日何本吸ってもいいのです。翌日は前日よりニコチン摂取量を減らした新しいパイプを使います。吸っているときは、タバコのおいしさ?もあまりなく、吸う力を入れなければ煙が体内に入っていかず、30日間続けるのが結構大変でした。また、吸いながらこれで本当に止められるのかなあと、疑心暗鬼になっていました。

 31日目になりました。その日は、3学期始業式で話をするので緊張する日でした。私は、本当に止められるのだろうかと疑心暗鬼でしたが、パイプの効果が出たのか、その日から吸わなくなりました。

 その後、タバコを全然吸っていませんが、今でも時々「タバコを吸いたいなあ」という考えが浮かんできます。その時、「吸ったらおしまいだ」と考えるようにしています。5年間の止めていた時の経験が生きているのです。私と同じパイプを使って止めようとした人の中で、吸った気がしないということで途中からパイプを使わずに吸い始めた人、30日後、一時的に止めてまた吸い始めた人がいました。

 ニコチン摂取の量を止められるまで段階的に減らし、喫煙という行動の修正に焦点を当てていることから、行動療法とも言える禁煙方法だったと思います。しかし、私の場合止められてもまた吸いたくなった時、「吸ったら終わり」という意識で禁煙を継続していることに気づきました。

 ダイエットでのリバウンドがありますが、それは一時的に様々な方法で体重は減っても脳は減る前の体重のままを意識しているため、元の体重に戻そうとしてリバウンドします。脳科学コーチングでダイエットをすると、痩せた時の自分の姿をイメージして意識の力でダイエットをするために、脳は痩せた時の自分になっていて痩せる前の体重に戻そうとしません。ですから、リバウンドしにくいのです。

 禁煙の場合も同様に、脳が止めた時の自分をイメージしていないために、また吸い始める可能性が高くなります。私が以前5年間止めた時、命の危険を感じたために意識の力で止めることができました。しかし、命の危険から回避できたら止める目的がなくなり、また吸い始めてしまったのです。

 命のためとは言え、意識の力で止めることができました。そこで命の危機回避ではなく、ダイエットの時のように、禁煙した時の自分をウキウキしながらイメージして禁煙に取り組むことが可能になってきます。

 実際に私の知っている人で、この脳科学コーチング禁煙法で禁煙をされた方がいます。脳が禁煙した時の自分をイメージしているためにまた吸い始めることが少ないのです。

 

 

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