薬に対する幻想(2/9)

 精神科や心療内科に行けば、ほとんどが科学的根拠のない問診で精神科医の主観により、診断されます。そして、病名を告げられ薬を処方されます。患者にされた方は処方された向精神薬を治るものだと信じて飲みます。

 私たちは薬に対する過度な幻想を抱きがちなのかもしれません。薬は病気を治してくれるものと、信じ込んでいるのかもしれません。確かに、病原菌を退治し完全に治す薬もあります。しかし、大半の薬は症状を緩和する対症療法的なものばかりです。

 特に向精神薬は症状を緩和することだけしかできません。病気を治すことはできないのです。このことは当ルームだよりに登場されている多くの医師も述べています。一時的に緩和されても、徐々に効かなくなってくるのです。

 それにもかかわらず、あたかも抗生物質が細菌を退治してくれるかのようなイメージで、処方された向精神薬が精神病や発達障害を根本的に治してくれるものと信じ込み、医師の言われるまま何年、何十年と飲み続ける人が実際にいるのです。

 SSRIが出始めた2000年に入ってから、うつ病は「心の風邪」と製薬会社や精神科、そしてメディアが宣伝しました。私も心が風邪を引いたようなものだから、うつ病は薬を飲めばすぐに治るんだと信じ込んでいました。しかし、私の知り合いは薬を飲んですぐ治るどころか、飲み始めて数年後に自殺未遂を2回も起こしてしまいました。

 私は最近、製薬会社や精神科医は、更に巧妙に宣伝してきているよう感じています。「治す」というようなストレートな宣伝をせずに、「病気と付き合う」といった表現で、薬を飲み続けさせることを意図した宣伝が目立つようになったことです。「薬をすぐに止めるのではなく長期間にわたって飲み続けなければなりません」といった宣伝もありました。そこには有効性ばかり強調され、重要な副作用があることは一切いわれていませんでした。

 このように巧妙に宣伝されれば、ほとんどの人が信用してしまうのも無理はないと思います。しかし、多くの方々の努力により、向精神薬の真実を知る人が増えてきていることも実感しています。

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