お母さんはその後も、煮干やコンブの天然だし、アゴ(トビウオ)の粉末を食材に入れたり、ナッツ、ココア、海苔などのミネラル豊富な食材を取り入れたりしました。根菜類や豆類など、健ちゃんが苦手な食材も、細く刻んで料理に入れていったところ、健ちゃんは幅広い食材を取り入れるようになってきました。米飯もよく食べるようになりました。
もともと食生活のバランスは気にかけていたというお母さんですが、健ちゃんの偏食が改善するにつれて食の幅が広がり、ゴマ、きな粉、納豆、みそ汁、オリーブ油なども取り入れていったのです。
3年生になると、体力と免疫力が向上し、初めて学校で「元気賞」をもらいました。身長もぐんと伸び、学校にティッシュの箱を持っていくほどだった鼻炎の症状も完全に治まったそうです。
そうした状況をお母さんが主治医に報告すると、「こんなに早くよくなるケースは珍しいですよ。お母さんの対応がいいのですね。」「ここまでの状態になれたらバンバンザイ!なかなかないことですよ。」とほめてくださったそうです。
目の機能にもうれしい変化が見られました。健ちゃんは、3歳児検診の時、左目に強い遠視のための弱視、右目に軽い遠視があることがわかり、「左目がほとんど見えていない」といわれていました。
そのため、よく物にぶつかり、ボールを受け取ることも難しかったのです。左右の視力差が大きいので、視力のある右目だけで見ようとしたら斜視になっており、年に3回の精密検査を受けていました。
3年生になると、眼科医に「斜視がよくなっています」といわれ、3学期には「目の機能が完璧になっています」と診断されて精密検査は年1回のみとなりました。
同時に便秘も改善。これまで4日に1回ぐらいだった排便が、1日おきから毎日になりました。寝起きもよくなり、身体面の変化が次々に出てきたのです。
(つづく)
「発達障害にクスリはいらない」内山葉子・国光美佳著(マキノ出版)より