米国産ジャガイモの輸入解禁は、私たち1人ひとりに突きつけられた問題だと思います(9/9)

米国産生鮮ジャガイモの輸入解禁手続きが加速

 2026年に入り、日本と米国の経済連携協定(EPA)の枠組みの中で、米国産生鮮ジャガイモの輸入解禁手続きが加速しています。これまで日本は、病害虫の侵入リスクを理由に、米国産ジャガイモの輸入を厳しく制限してきました。しかし、国際的な通商圧力と、米国側の検査体制の改善を受けて、日本の農林水産省も解禁に向けた検討を進めています。

なぜ米国はジャガイモを日本に輸出したがるのか?

<株式会社シェイクス>より引用

 米国は大規模農業によって、大量のジャガイモを生産しており、国内で消費しきれない分を海外へ輸出して、農業利益を最大化したいという考えを持っています。また、通商交渉やトランプ政権による強いトップダウンの圧力が背景にあり、日本市場への農産物輸出拡大の重要項目としてジャガイモが位置づけられています。更に、全米ジャガイモ協議会(NPC)などが政府と連携し、資金を投じて日本への輸出解禁に向けた働きかけやロビー活動を強めているのです。

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輸入における最大の懸念

◆「ジャガイモシストセンチュウ」という害虫の侵入

ジャガイモシストセンチュウ
<インターネットより引用>

「ジャガイモシストセンチュウ」は、“シスト”と呼ばれる殻のようなものを作り、その中で卵を守ります。この殻は寒さや乾燥に非常に強く、卵は10年以上も生き延びることができます。 ひとたび圃場(ほじょう)に侵入すれば、完全な駆除は極めて難しいのです。ジャガイモの根に寄生して生育を妨げ、収穫量を減少させるだけでなく、種イモの生産にも重大な影響を及ぼすします。 

 線虫が見つかった圃場では、種イモを生産できなくなる可能性があります。種イモが作れなければ、その先のジャガイモ生産も成り立ちません。

米国産ジャガイモ
<インターネットより引用>

 米国は、ジャガイモを日本の全国総面積(約7万ha)の2倍を1つの州だけで生産しています。これほど広大な土地でありながら、線虫が確認された畑(全体の1%未満)は即座に栽培が禁止され、農機具や靴の泥の持ち出しも厳しく規制されています。米国でも1つの汚染エリア(約49ha)の隔離を解除するまでに約19年かかりました。

 米国側は「発生していないクリーンな地域からだけ輸出するから安全だ」と主張しています。ただし、全体の1%未満であっても発生しないとは言い切れません。米国は国土も産地も広大なため、一部で発生しても、生産全体への影響を抑えられている可能性があるといわれています。これに対して、日本のジャガイモ生産は北海道への依存度が高く、北海道で被害が広がれば、全国への供給にも大きな影響が及びます。米国とは生産構造が違うのです。

農業経済学者
東京大学大学院特任教授
 鈴木宣弘氏

 生鮮ジャガイモがスーパーなどで販売されるようになれば、リスクは大きく変わる、と鈴木氏は指摘しています。購入した人が家庭のプランターに植える可能性があるほか、ジャガイモに付着していた土や線虫が靴底などを介して畑へ運ばれることも考えられるからです。
 だからこそ、生のジャガイモは水際で止めなければならないとして、農水省は何十年も必死に抵抗してきたのです。担当者のなかには、体を張って『自分は認めない』と輸入を止めようとして、左遷された人もいるようです。
 それでも、輸入解禁に向けた協議が進んでいるのは、米国からの要求を拒みきれない日本外交の構造が背景にあると、鈴木氏は指摘しています。

高市政権だから、いまがチャンスとみられている

トランプ大統領

 さらに鈴木氏は、今回、米国側が要求を強めた背景について、「高市政権は、これまで以上に米国の要求に忠実に従う姿勢を示しています。そのため米国も『いまがチャンスだ』と考え、圧力を強めたのでしょう。日本政府は、その要求に応じようとしているわけです。 また、トランプ大統領は中間選挙を控えていますから、そこで何らかの成果を示したいという事情もあるのだと思います」 

 農水省は「解禁が決まった事実は何らない」と説明しています。しかし鈴木氏は、表向きは検疫協議中でも、米国側の要求を最終的に拒否できない以上、解禁へ向かう流れは事実上決まっているとみています。

日本の食料自給率(37%)が更に下がる懸念

<インターネットより引用>

 1961年、日本の食料自給率は左(スマホでは上)のグラフ80%でした。約60年後、38%まで下がってしまいました。上のグラフのように各国と比較しても、日本はたいへん低いです。ジャガイモの輸入解禁で、センチュウの侵入により国内生産が打撃を受ける一方、安価な米国産ジャガイモの輸入が増えれば、国産品から輸入品への置き換えが進む可能性があるのです。

 コメでも、生産を減反で絞り込みすぎた結果、輸入が増え、国産米が輸入米に置き換わる事態が起きています。私は南房総市で週2日ほど農作業をしていますが、以前は水田だった場所が今は何も作られずに耕作放棄地となっている土地を見ると寂しさを感じます。

ジャガイモ農家の80%超が反対(賛成は2.1%)

調査期間:2026年9月4日から9月7日
(株)ビビッドガーデン/食べチョクより引用

生 産 者 の 声

ジャガイモ農家の方(インターネットより引用)

〇一度病害虫が侵入してしまうと拡散してしまうことを止めるのはほぼ無理である。自国の農業を守ることをせずに市場原理にゆだねたまま、農業者は減少の一途
〇肥料、種芋の価格上昇や販売価格の低下で利益が減る中、輸入ジャガイモが入ると、販売価格の低下があり、害虫が入ってきたら生産できなくなりそうです。輸入をやめてほしい
〇そもそもの農業とは何かについての考え方が生産者とは異なっており、農産物の生産現場もわかっていないミスリードばかりが続いているように思います。国際貢献の最優先課題として行うべきは、国内の内の潜在能力(自給率100%以上の早期達成)の総発揮ができるようにする事であり、外圧による農産物輸入の拡大は、論外で検討する事も必要ないと思います。
〇生鮮ジャガイモの輸入に反対です。ジャガイモは、化成肥料は使っていますが、農薬は使っていません。近年、日照り続きで野菜作りも困難なのに病害虫などの被害にあった場合、対策にコストがかかり、収穫量が減り、値段も下がるなどの悪循環で、収入も減り多くの生産者さんが頭を抱える事でしょう。小規模農家は、大変です!

「ジャガイモ農家へのトドメの一撃になりかねない」米国産ジャガイモ輸入解禁に8割超が反対:時事ドットコム
[(株)ビビッドガーデン/食べチョク]経営判断への影響を懸念する声も9割に迫る。食べチョク、緊急アンケートを実施産直通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(本社→ 続きはこちら

私たち1人ひとりに突きつけられた問題

 政府は、私たち国民が食べるものを国内で作る力を弱め、輸入に依存せざらるを得ない流れを、更に強めようとしています。ロシアのウクライナ侵攻、日本と中国やロシアとの緊張増幅、イスラエルのガザ攻撃、米国のイラン攻撃等、国際情勢が不安定化している中、いつまでも食料を安定して輸入できる保証はないと思います。ひとたび有事になれば、相手国との輸入がストップになり、私たちは子どもたちの命を守ることができない可能性が出てきます。

 自給率112の米国がいつまでも輸出するとは限りません。戦前の日本は、石油をアメリカから8割以上輸入していましたが、米国との対立が深まり米国は日本への石油輸出をストップしました。

 今大切なことは、生産者の方が仰るように、「国内の内の潜在能力(自給率100%以上の早期達成)の総発揮ができるようにする事」だと思います。武力増強よりも「自給率向上」ではないでしょうか。私たち1人ひとりが、「害虫や食料自給率がたいへん心配のなので、輸入は認められない」と声をあげ、国民全体の声が大きくなれば、政治が動かされる可能性が出てくると思います。

「高市政権だからチャンスとみられている」農業経済学者が警鐘 米国産ジャガイモ輸入解禁「日本は拒否できない」(女性自身) - Yahoo!ニュース
さらに鈴木氏は、今回、米国側が要求を強めた背景について、こう語る。「高市政権は、これまで以上に米国の要求に忠実に従う姿勢を示しています。そのため米国も『いまがチャンスだ』と考え、圧→ 続きはこちら
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