薬物依存というドロ沼からの生還(その2)(7/21)

 山口岩男氏の薬物依存というドロ沼からの生還(その2)をお伝えします。

 


 当時は、日中も長期作用型の睡眠剤が残っていて、仕事をキャンセルしたり、約束の場所へ行かなかったりということが何度もあった。また、気分のアップダウンが激しく、イベント会場まで行ったのに気分が乗らず、演奏せずに帰ってしまったことさえある。テンションを上げる抗うつ剤を何種類も服用していた時期は、逆にテンションが上がりすぎてちょっとしたことで怒ってしまったりして、たくさんの人に迷惑をかけた。
 そして12年の間には、2度も離婚して、いろいろな人を巻き込んで多大な迷惑をかけてしまった。もちろんすべてが薬のせいではないが、薬を飲んでいなかったら…と思うこともたくさんある。精神薬に依存すると同時に、僕は酒にも依存するようになり、2008年2月、僕は24時間アルコールを切らすことができない「連続飲酒」に陥った。アルコール依存症、いわゆる「アル中」になってしまったのだ。

 入院直前の1週間は、ほとんど何も食べずにアルコールと精神安定剤を胃に流し込み続け、胃液を吐き続けた。遂に2008年3月の深夜、ウィスキーと精神安定剤・デパスの大量摂取で酩酊し、騒ぎを起こし、警察経由で精神病院のアルコール病棟へ入院した。


「導しるべさんのプロフィールページ」より

 2013年4月、精神薬の断薬を専門とする特異な医師・内海聡氏の講演を聞き、精神薬害の実態に衝撃を受け、僕は断薬に踏み切った。壮絶な禁断症状に苦しみながらも、断薬を継続し、一時は寝たきり状態だった体もどんどん回復してきた。それに伴って精神状態もよくなり、うつ症状もすっかり消え、深く眠れるようになった。

 「抗うつ剤をやめてうつが治り、精神安定剤をやめて精神が安定し、睡眠剤をやめた方がよく眠れるようになった」とは、皮肉だが本当である。あのまま精神薬を飲み続けていたら、僕は生きていなかったかもしれない。実際に、危険な状態に陥ったことも何度かあった。生きていたとしても、元気になって、このような文章を書くことはとてもできなかっただろう。(つづく)

「『うつ病』が僕のアイデンティティだった」山口岩男著 ユサブル より

 

 

 

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