2005年に施行された発達障害者支援法に、発達障害は脳機能の障害と定義されています。
私は、脳のどの部分がどのような状態になっていて、ADHD、ASD、LDと診断することができるのかと、不思議に思っています。脳機能の障害というのであるならば、MRIや脳波などでの説明が必要なのではないでしょうか。
次に、自然発生的な脳機能の障害だとしたら、20年前も現在も発達障害者の出現率は変わらないのではないでしょうか。むしろ子どもの数は減っているのですから、発達障害と診断される数も減るはずです。しかし、実際には逆に増え続けているのです。
様々な統計調査を基に、現在、日本における発達障害の傾向は10人に1人ともいわれています。この背景には、医療機関での診断が安易に行われているようになっている、という事情もあります。
ただ、私は20年ほど前から、「うまくコミュニケーションがとれない、じっと座っていられない、集中できない、キレやすい」という子どもたちが急激に増えてきたことを実感しています。
騒ぐ子どもが1人いると他の子どもがつられて騒ぎ出す光景が見られるようになりました。授業が成立しない教室が問題になり、「学級崩壊」という言葉も広まりました。
30年以上前にも、「学校の勉強についていけない」「コミュニケーションが不足している」「授業中に何度も立ち上がる」などの子どもはいましたが、散見される程度であり、基本的には静かに授業を受けるのが普通の風景でした。
このように心配な行動をとる子どもが増えてくると、学校は子どもに静かになってほしいので、精神科や心療内科を受診して向精神薬を飲むよう勧めるようになります。以前まで、私も同じように考えていました。反省しきりです。
参考文献:「発達障害にクスリはいらない」内山葉子・国光美佳著 マキノ出版