薬を抜くことの困難さ(2/21)

 すでに向精神薬を服用している場合、減薬・断薬するプロセスは、個人差が大きいので、簡単だったという人も中にはいますが、通常困難です。

 たとえ見せかけ上であっても、薬によって症状が安定している場合、本人はともかく周囲がその安定を崩されることを嫌がります。そのため、急激に薬をやめたり量を減らしたりすると、離脱症状を引き起こす危険性があります。

 離脱症状を「薬を飲まなかったからいつもより症状が出た」と解釈されてしまうことで、薬をやめられないどころか増薬される場合すらあります。薬自体が不可逆的な反応を引き起こすこともあります。


 つまり、いったん薬が入ってしまうと、本当に薬が必要だったのか、他の手段で改善できたのかを検証することが困難になってしまいます。薬をやめてリセットした状態にしようとしても、その状態が薬を始める前と同じとは限りません。実際、薬をやめたのに、以前は全くなかった不随意運動にずっと苦しめられている子もいます。
 国光さんの場合、医師ではないため、減薬・断薬を勝手に指示することができません。そのため、保護者と主治医の合意の下で薬を減らすようにしているそうです。

 やたらと薬を出して話を聞かないような医師は高圧的な態度であることも多く、合意を作るのは簡単な話ではないと思います。しかし、それでも国光さんは、1日にエビリファイ3㎎3錠、1㎎1錠、コンサータ18㎎1錠、27㎎1錠、インチュニブ1㎎1錠を同時に処方されていた小学生(診断はADHDと自閉症スペクトラム)を見事減薬・断薬に持ち込んでいます。その子はむしろ薬の服用中に暴れていたのが、断薬後には症状もなくなって落ち着いているそうです。

「発達障害バブルの真相」米田倫康著(萬書房)より

 

 

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