カウンセリングの新しい療法、ACT(アクト)の考え方を生かして(その7)(4/25)

感情は、ネガティブな感情の方がポジティブな感情より多い。

 私たちは湧き起る感情を言語で表します。言語によって微妙な感情の違いを感じ取るようになってきました。そこで、ネガティブな感情が湧き起った時、どのように対処すればよいかを考える前に、感情を表す言葉を調べてみました。

【ポジティブな感情】(21)
嬉しい、楽しい、幸せ、気持ちいい、スッキリ、満足、爽快、感動、感心、和む、癒される、落ち着く、ワクワク、興奮する、高ぶる、懐かしい、好き、愛してる、恋してる、憧れる、尊敬

【ネガティブな感情】(48)
かわいそう、寂しい、悲しい、孤独、困る、戸惑う、辛い、萎える、心が痛む、憂鬱、だれる、苦しい、切ない、泣ける、呆れる、不愉快、イライラ、心配、心細い、不安、悩ましい、萎縮、焦る、情けない、恥ずかしい、屈辱、飽きた、惨め、ヘコむ、がっかり、落胆、絶望、失望、後悔、悔しい、負い目、罪悪感、恨む、惜しむ、嫌い、見下す、憎む、嫉妬(波乗り好奇心より)

 ネガティブな感情の方がたいへん多いことが分ります。感情を表す言葉は数多くありますので他にも調べてみると、ネガティブな感情を表す言葉が96で、ポジティブな感情を表す言葉が38で、ネガティブな感情を表す言葉の方がたいへん多かったです。(日本語の豊かな表現より)

 これは人間として生きるということはどんなことなのか、そのひとつの側面を教えてくれます。なんと、人間が人生で繰り返し経験する当たり前の感情は、その3分の2が不愉快なものなのです。

 私たちは「ポジティブ」が良いという社会に生きていますので、いつでもポジティブであるべきだと考えてしまいますが、それは現実的といえるでしょうか?
 次回は、ネガティブな感情が湧き起ってきた時、どのように対処していけばよいか考えてみたいと思います。

参考文献:よくわかるACT 著/ラス・ハリス 星和書店

月ごとの投稿
心理療法の活用