私は12月5日に放送された「NHKスペシャル『コロナ危機 女性にいま何が』」を見ました。登場した女性たちの悲痛な声を聞いて、たいへん悲しくなりました。いたたまれなくなりました。怒りもこみ上げてきました。
特に大きな影響を受けているのが女性たちの雇用です。緊急事態宣言が出された直後、仕事を失った人は男性32万人に対し、女性は、倍以上の74万人にのぼりました。自殺者の数も10月は去年と同じ月に比べ男性が21.7%増、女性が82.8%増と、女性が特に増えています。(厚生労働省まとめ)
2013年、国は成長戦略のひとつに「女性活躍推進」を掲げました。2年後には法律も成立し、去年までの7年間で女性の雇用は340万人増加しました。しかし、その7割は不安定な非正規雇用でした。そこを新型コロナが直撃しました。
前首相が「今の日本で最も生かしきれていない人材は女性だ。閉そく感の漂う日本を再び成長軌道に乗せる原動力だ」と言い、2013年に成長戦略の一つとして女性活躍推進を掲げ、二年後の2015年には女性活躍推進法が成立しています。その結果、女性の雇用は進みましたが、その約7割が不安定な非正規雇用だという現実です。
多くの女性が苦しんでいる現在の状況に対して、前首相は今、何を思っているのでしょう。原動力だと言っていましたが、原動力となる方々がコロナ禍だといって切り捨てられていいのでしょうか。自殺する方々が多い、貧困で苦しむ方々が多い、これで先進国といえるのでしょうか。
放送で登場された方々は、生き延びようとして必死になって行動していました。今こそ政治の出番だと思います。苦しんでいる人たちが救われている国こそ他の国のお手本となり、先進国といえるのではないでしょうか。
NHKスペシャル「コロナ危機 女性にいま何が」 データ集より