多くの酵素が必要
メチレーション回路の歯車をスムーズに回すためには、酵素が不可欠です。酵素は人間や動物、植物、虫、微生物など全ての生命に存在する外殻がアミノ酸で覆われたタンパク質の一種です。体内でつくられる酵素は、産まれたばかりの赤ちゃんの時から存在しています。
酵素は、化学反応を起こすカギのようなものです。酵素自体は材料になったり、変化したりしませんが、ないと反応が起こらないのです。
メチレーション回路の出発点になるのは葉酸です。葉酸はビタミンB群の一種で、名前のとおり緑の葉野菜に含まれています。
神経の成り立ちや働きに重要な物質ですが、摂取した形のままでは体内で使うことができず、使うにはメチル化という反応が必要になります。食事でとった葉酸が体内で使われるメチル化した葉酸になるだけでも、7つ程度の酵素が必要とされています。
メチレーション回路全体では、80ぐらいの酵素が必要と考えられています。非常にたくさんの酵素が体内に存在しているのですから、人間の体って本当にすばらしいと思います。
参考文献:「発達障害にクスリはいらない」著者:内山葉子・国光美佳 マキノ出版