夜遅くの訪問販売でアティテュードを変えてみたところ(1/9)

 アティテュードを変えたビジネスマンの成功例です。東証マザーズ上場のIT関連企業、アドェイズの岡村陽久社長が16歳の時に実際に体験したことをインタビューで以下のように話しました。

 訪問販売で飛び込み営業をやっていた時、夜9時にマンションに飛び込むかといったら普通はやめます。けれどそこで、『もしかしたら夜来たことを嬉しく思う人もいるかもしれない』と、前向きに考えていくと、実際売れたりするんです。
(IT PLUS「ネット広告で世界進出を企む26歳中卒社長-アドェイズの岡村氏」2006年7月6日記事より)

 岡村少年は会社の利益を追求するために、マンションのドアのベルを鳴らします。仕事から疲れて帰宅した住人のひとときの休息を、たとえわずかな時間であっても、会社の利益のために奪うわけです。おそらく、「自分だったら嫌だな」という気持ちが、彼にはあったはずです。

 これは、もし自分のところに夜遅く飛び込みセールスがやってきたら、気分を害するし、断ることを意味しています。これが当時の岡村少年の潜在意識であり、ブリーフ(信念)だったということができます。当然、彼は夜9時の飛び込みセールスに躊躇したはずですが、会社から命令された仕事を放棄することもできません。

ア ティ テュ ー ド を 変 え る

 そこで、岡村少年はアティテュードを変えるというテクニックを自然に使います。「うれしく思ってくれる人もいるかもしれない」と考えて、「前向きに」マンションの一戸一戸を訪ねていきました。彼はその結果、セールスに成功します。実際、訪問を喜んでくれる人にも会えたに違いません。

 その瞬間に、彼の「自分なら、こんな夜遅くはお断りだ」というブリーフは崩れることになりました。「そうか、こんな夜遅くにセールスマンが訪ねてきても、喜んでいいんだ。自分も、きっとそれをうれしく思うときがあるだろう」

 この経験を境に、仮に夜遅く彼のもとに飛び込みセールスがやってきても、条件反射のようにそれを断るというアティテュードをとらなくなったに違いありません。彼に無意識のうちにそうさせていたブリーフシステム(信念体系)が崩れてしまったといえるでしょう。

 岡村少年が、『もしかしたら夜来たことを嬉しく思う人もいるかもしれない』とアティテュードを変えたところが成功に結び付いたといえます。前向きな気持ちで訪問することにより、潜在意識が自然と笑顔に溢れ言葉も明瞭で明るくさせて、岡村少年はお客様に接することができたのでしょう。
 仮に、『喜ぶ人がいるはずがない』と現状のブリーフのまま「訪問しなければならない」といった意識で訪問したら、断られ失敗に終わってしまったことでしょう。

<AFFIRMATION「言葉」があなたの人生を決める 苫米地英人著 フォレスト出版 より引用>

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