子どもの主体性を育む道徳の授業(その1)(10/21)

道徳科の特質を理解する


「ぼくはMVP」光文書院より

 私は現在、ルームでの活動の他に公立の小学校で道徳科の授業をさせていただく機会があります。先日、「ぼくはMVP」(4年生:正直、誠実)の資料を使って授業をしました。

 私の道徳科における研究テーマは、「心理療法を活用した道徳の授業」です。授業の実際を紹介する前に、みなさんに下記の学習指導要領における道徳科の目標を知っていただきたいと思います。授業が目標を達成し得たものであるかどうかを検証する必要があるからです。 

 左(スマホでは上)の小学校学習指導要領解説によると道徳科の目標は、「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ物事を多面的・多角的に考え自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」と述べられています。

◎キーセンテンスは、
(1)道徳的諸価値についての理解
(2)自己を見つめる
(3)物事を多面的・多角的に考える
(4)自己の生き方についての考えを深める
です。

 上記のキーセンテンスが道徳の授業に含まれていることが、重要になってきます。そして、子どもたちが上記の4つを認識することにより、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度が身につくとされています。

 つまり、道徳科は道徳的価値についての単なる知的理解に終始したり、行為の仕方そのものを指導したりする時間ではなく、ねらいとする道徳的価値について児童自身がどのように捉えどのような葛藤があるのか、また道徳的価値を実現することにどのような意味を見出すことができるのかなど、道徳的価値を自分との関りにおいて捉える時間としています。したがって、児童が道徳的価値を自覚できるよう指導方法の工夫に努める必要があります。

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