真の分断は好戦主義者と平和主義者との間にある〔イスラエルのイラン攻撃に際して〕(6/16))

 イスラエルが突如イランの核施設を空爆

及川幸久氏

 6月13日、イスラエルが突如イランの核施設を空爆しました。その後、イランがイスラエルに報復しました。国際政治コメンテーターの及川幸久氏は、イスラエル・イラン戦争に発展したら、それは間違いなく第3次世界大戦になるので、これからどうなるのかかたずをのんで見守っていると述べています。


タッカー・カールソン氏
<Wikipediaより引用>

 その中にあって、及川氏は以下の動画でアメリカのタッカー・カールソン氏(政治コメンテーター)が必死にトランプ大統領を止めようとしている!と伝えています。さらに、及川氏は続けて言います。アメリカは関与していないという声明を出しましたが、本当に起きているということはアメリカが関与しているのではないか、トランプ大統領がネタニヤフ首相にゴーサインを出したのではないかといった見方が強まっています。トランプ大統領を支持してきた人たちから一斉に、トランプに失望した、トランプに裏切られた、とトランプ大統領批判が出てきたのです。しかし、これはトランプ大統領というか、トランプ大統領の側近(※ネオコン)の説得によってです。


中東の国々
<インターネットより引用>

 イスラエルが中東における覇権国になるという野望を実現するために、アメリカを再び中東の血なまぐさい紛争に巻き込もうと、あらゆる手段を講じている、つまりトランプ大統領を説得しようとしているのが、現在起きている状況のようです。少し前までは、トランプ大統領はネタニヤフ首相とは距離をとりイランと交渉してイスラエルとイランとの戦争はないという見方だったのが、がらりと変わってしまいました。

タッカー・カールソン氏の重要な投稿

 イスラエルがイランに攻撃する前の段階で、トランプ大統領がネタニヤフ首相側についたようだと聞いて、タッカー・カールソン氏は6月4日、Xに重要な投稿をしています。タッカー・カールソン氏は、特に外交においてトランプ大統領がカールソン氏の意見を受け入れるほどトランプ大統領に影響を与えてきた人です。

マーク・レヴィン氏
<Wikipediaより引用>

「マーク・レヴィン(保守派の重鎮)は本日、ホワイトハウスを訪れ、『イランとの戦争をやりなさい』と言ったようです。彼はアメリカ軍に戦わせようとしている。イランの核開発を阻止しようと同調者たち(ネオコン)は主張しています。彼らは数週間以内に実行(実際には1週間以内に実行してしまった)に移すつもりです。核保有国になったらイスラエルはたいへんなので、その前に戦わなくてはいけない。この主張に耳慣れたものなら、それは1990年代から同じ人々(ネオコン)が同じ主張を繰り返してきたからです。ずっと30年間言い続けてきました。これは嘘です。イランが核兵器の製造に近づいているか、その計画を持っていることを示す信頼できる情報は一切ありません

「そう主張する者は無知が不誠実です。もし、アメリカ政府がイランが数週間で核兵器を保有する可能性があると知っていたなら、すでに戦争状態になっていたでしょう。イランはこの事実を知っているため核兵器を製造していません。イランはまた、武器プログラムを完全に放棄することが賢明でないことも知っています。カダフィは武器解除した直後、NATOは彼を殺害しました。イランの指導者たちはその光景を目撃し、明らかな教訓を学びました」

「マーク・レヴィンが核兵器について過剰に反応しているのはなぜでしょうか。本当の目的から目をそらすためです。その目的はイランの政権交代(レジームチェンジ)です。アメリカが外国の指導者を転覆させる記録は、あまりにも恥ずかしいほど逆効果のため政権交代は災難の同義語になっています。アメリカは気に食わない国の政権交代をCIAを使ってやってきましたが、ほとんど逆効果だっので公式にはこんな誰も支持しません。そのため、彼らの真の動機を明らかにする代わりに、ヒステリーを煽るのです。イランのような国が核兵器を持つことは絶対に許さない。彼らはロサンゼルスを核攻撃する。今すぐ行動を起こさなければならい。とヒステリーを煽るのです」

真の分断は好戦主義者と平和主義者の間にある

 タッカー・カールソン氏は6月14日にも投稿し、「真の分断はイスラエルを支持する人とイランやパレスチナを支持する人の間にあるのではない。真の分断は暴力を軽々しく煽る人とそれを阻止しようとする人の間にある。つまり、好戦主義者と平和主義者の間にある。好戦主義者とは誰だろうか?今日、ドナルド・トランプに電話をかけ、イランとの戦争への空爆やその他の米軍の直接介入を要求している人たちが含まれるだろう」と言っています。

好 戦 主 義 者

ショーン・ハニティ氏
超イスラエル主義者

マーク・レヴィン氏
保守派の重鎮

ルパート・マードック氏
メディア王(グローバリストの1人)

アイザック・パルムッター氏
ユダヤ系アメリカ人

ミリアム・アデルソン氏
大富豪

この人たちが、「今こそイランをアメリカが直接打つべきだ」と言っている。

 

タッカー・カールソン氏の主張

 米国はイスラエルとイランの戦争に関与すべきではない。資金も武装も兵力も「特別な同盟国(イスラエル)」が何と言おうと、イランとの戦争はアメリカに何の利益ももたらさないし、国家利益にも反する。国益にも反する。イスラエルがこの戦争を戦うのであれば、その権利はある。しかし、アメリカの支援を受けてはならない。アメリカがこの戦争に介入し続けることは、過激派イスラム世界における西欧への憎悪をさらに煽り、次の世界のテロリズムを助長する。

 最悪のケースは、数千人のアメリカ人が犠牲となる事態となり、その全てが我が国とは無関係な外国の戦争のために行われることになる。どの可能性もアメリカにとっては有益ではない。しかし、別の選択肢があります。イスラエルを切り捨てることです。彼らに自分たちの戦争を戦わせましょう。どんなにイスラエル系の人たちから寄付をもらっていたからと言ってもイスラエルを切り捨てましょう。彼らがやりたかったら彼らに勝手にやらせましょう。

 私たちは、エリトリア、スリナム、カンボジア、または地図上で目を閉じて指差した任意の国のために同じことをするのを拒否するのと同じ理由で、アメリカをイスラエルの戦争に巻き込むことを拒否します。

 イスラエルの戦争はアメリカの戦いではありません。それに加わることは、アメリカを第一に置く政府を築くために投票した数千万(7700万)の有権者への侮辱です。今後何が起こるかが、ドナルド・トランプ大統領の政権の成否を決定づけるでしょう。

 この後、好戦主義者の説得でネタニヤフ首相と戦争に入ってしまったらトランプ政権は終わりですよ、の意味が含まれています。

 

「無法国家」とよく形容されるイランですが、強力な同盟国を有しています。イランは現在、世界の陸地面積、人口、経済力、軍事力の過半数を占める「BRICS」の一員です。イランはロシアと広範な軍事関係を築いており、石油輸出の圧倒的多数を中国に販売しています。イランは孤立していませんイランの攻撃は容易に世界大戦に発展する可能性があります。私たちは敗北するでしょう。

※ネオコン…新保守主義(しんほしゅしゅぎ、英: Neoconservatism、ネオコンサバティズム, 略称:ネオコン)は、政治イデオロギーの1つで、自由主義や民主主義を重視してアメリカの国益や実益よりも思想と理想を優先し、武力介入も辞さない思想。1970年代以降に米国において民主党のリベラルタカ派から独自の発展をした。それまで民主党支持者や党員だったが、以降に共和党支持に転向して共和党のタカ派外交政策姿勢に非常に大きな影響を与えている。
                                <Wikipediaより>

 タッカー・カールソン氏がトランプ大統領に必死に戦争回避を訴えていることがよく分かりました。トランプ大統領は当初、イランとの協議を重視していたのでイランとの戦争はないと見てましたが、ネオコンの存在があったとは。ネオコンから多額の寄付を受け取っていたトランプ大統領は戦争拒否をしずらかったのでしょう。タッカー・カールソン氏のイランの核保有はないこと、好戦主義者と平和主義者の分断、イランと戦争をすることは7700万有権者への侮辱にあたること、そしてトランプ政権が終わりを告げること、など様々な観点からの説得がすばらしいと思いました。

 トランプ大統領がネオコンの言うことを拒否し、タッカー・カールソン氏の説得を受け入れてアメリカとイランとの戦争がないことを祈るばかりです。

👇動画(25分58秒)

イスラエルと共にイランを攻撃しようとするトランプを必死で止めるタッカー・カールソン【及川幸久】 - 検索 動画
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