良さを最大限に認めながら心配な行動を改善していきます(前編)(2/17)

 小学校低学年のМくんは活発で思いやりのあるとても優しい子です。ただ、学校で衝動的に友だちへの暴力をふるったり動き回ったりするところがあり、お母さんが心配されて当ルームに昨年の秋から1か月に1.2回程度来室しています。

 ルームはよかったことをたくさん話し、困ったことがあったらどうしようか一緒に考えるところ、そして絵や字をかいたり運動したりするところ

ポーズをとるМくん

 Мくんは学校でよかったことや楽しかったことをたくさん話します。学校で博物館に行ったことや家族でお出かけしたことを話したり学校で勉強した漢字を思い出してホワイトボードに書いたりします。
 私が困ったことはあったの?と尋ねたら友達から嫌なことを言われたことを話しました。そんな時は「止めて」と言ったりその友達から離れたりしてみようと一緒に考えました。
 Мくんは怪獣の絵を描くのが大好きです。その名前を聞くとしっかり覚えていて教えてくれます。私が覚えられないので書いてくれますか?と言うと、ホワイトボードにカタカナで書きます。難しいカタカナは一緒に書きます。

いておいて作戦さくせん

ルームの階段

 3階のルームから公園へ遊びに行くときのことでした。Мくんは狭くて急な階段を怖がってなかなか下りようとしません。そこで、私が「はい。『こわい』気持ちを横に置いておいて。はい。それから階段をしっかり見てゆっくり下りてごらん」とアドバイスをしました。Мくんはさっさと下りられました。公園の階段を下りるときも手で怖い気持ちを横に置くしぐさをしてからさっさと下りていきました。
 難しいからできないと思った時、「『難しい』気持ちを横に置いておいてよく読んで考えよう」友達に対して腹が立った時、「『怒る』気持ちを横に置いておいて友達から離れよう」等、この作戦はいろいろな場面で使えます。

公園で思いっきり運動

新検見川公園

 Мくんも私も30分間ぐらいくたくたになるぐらいサッカーボールを蹴ったりフリスビーを投げたりして運動をします。Мくんはお母さんにも参加するよう声かけをします。お母さんも一緒に運動をします。

1日で「楽しかったこと、よかったこと」を話します

 お母さんは毎日、Мくんが寝る前にその日の楽しかったことやよかったことを聴いています。Мくんはたくさん話すそうです。先日、新1年生になる年長さんとの交流会があり、Мくんは新1年生のお世話をすることができてとても喜んでいたそうです。

 毎日続けることで、楽しかったことやよかったことを話そうと思って、自分で楽しかったことやよかったことを作ろうとして生活するようになることが期待できます。                                                            (つづく)

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