食を変えたら「イライラ指数」が下がって緩和に(その3)(6/27)


 開始から3カ月半が過ぎると、再開後のペースをつかみ、食の取り組みを安定して継続できるようになりました。お弁当は手作りで、魚や海藻などの食材をふんだんに使いました。中学生になっても、こうした取り組みを続けました。
 高校受験の際には、恭吾くんは自分で学校見学や体験入学をして、行きたい高校を選び、試験にも合格。片道13kmの距離にある高校まで、毎日自転車で往復し、野球部に入って練習にも力を入れました。

 なお、恭吾くんは、小学校4~6年生のときに、メチルフェニデート(コンサータ)を飲んでいましたが、中学生になってからは飲んでいません。

 恭吾くんの食の取り組みを機に、お母さんはご自身の食生活も振り返っていました。お母さんが子どものころは、毎日手作りの食事に親しんでいたものの、結婚後はスーパーの総菜類をよく利用するようになっていたそうです。妊娠中に体重増加のため、食事制限の注意を受けていたことなども思い起こし、お母さん自身も健全な食生活を取り戻していきました。

 恭吾くんは、高校を卒業し、晴れて社会人になりました。お母さんは食の取り組み体験を語る場にも積極的に参加してくださり、「今、子育て中の方には、特に食の大切さを知ってほしいですね」と、集まったお母さん方に語ってくれています。

引用:発達障害にクスリはいらない 内山葉子・国光美佳著 マキノ出版

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