9種の精神疾患すべてプラセボで症状が改善(8/10)

 本当にそのクスリは必要なのでしょうか。クスリ以外に有効な治療法や症状の改善策はないのでしょうか。

 副作用の強い、依存性の強いクスリを使うことに疑問を感じることがたくさんありますが、精神疾患に対してのプラセボ効果〔偽薬を飲むこと、本人は本当にクスリ(ここでは向精神薬)と思い込んで飲むことでおこる症状の変化〕を比較検討した研究があります。90件9985例でのシステマティックレビューとメタ解析で検討した結果、9種の精神疾患すべてプラセボで症状が改善したのです。

 プラセボとは、本物のクスリと見分けがつかないが有効成分が入っておらず臨床試験に使用するためのものです。日本語で「偽薬(ぎやく)」と訳されることもあります。クスリとしての効き目のない乳頭やでんぷんなどを錠剤やカプセル剤などにし、クスリのように見せかけたものです。

 本当はクスリでなくて、傾聴し、必要に応じて休息してもらい、生活改善をしたらよくなることがたくさんあります。そもそもクスリで治るものはありません。症状改善だったらリスクのある薬でなくてもいいわけです。

特に大うつ病と不安障害はその効果が高かったようです。     (JAMApsychiatry2024)

コロナ感染拡大以降多く生産されるようになった向精神薬

 向精神薬は、自殺企図、自殺念慮、攻撃性、他害行為、易怒性、
幻覚、妄想、錯乱、などの問題をひこ起こすことが知られています。
 ところが以下のグラフのように、2018年まで少しずつ向精神薬の生産量が減少していたのですが、2019年以降急に増加し現在まで高止まりの状態です。多くの方が向精神薬を服用しているものと見られます。
リスクのある向精神薬ではなく改善が期待できることがある
 
 プラセボで症状が改善しているのです。「病は気から」です。リスクのある向精神薬より、人に話す、食べ物や生活習慣を見直す、必要に応じて休息をとる、ことで改善が期待できます。お知り合いで精神的不調(子どもの心配な行動を含む)を改善させたい方がいらっしゃいましたら、お伝えいただければ幸いです。しかし、すぐにクスリを処方する精神科や心療内科はお勧めできません。
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