前回の弟さんをうつ病で亡くした方の記事で、抗うつ剤について以下のように書いてありました。
抗うつ剤に原因がある気がして弟の家を訪ねた際、ダイニングテーブルに3~5種類の薬が置かれていた。「こういう薬だけは飲むな」と言ったが、眠れなくて苦しんでいる彼は服用を止めなかった。
私は抗うつ剤をやめることをしなかった(やめることができなかった)弟さんは、やる気が出ない、気分が落ち込む、眠れないなどの症状がたいへん辛く一刻も早くこの辛い状況から抜け出したいという考えが強かったのではないかと思いました。よくうつ病の辛さはなった者でなければ分からないと、うつ病の方から聞きます。
また、やめたらもっと眠れなくなる、もっとやる気が出ない、もっと気分が落ち込むと考え、不安が増幅したのかもしれません。その不安から逃れるために、抗うつ剤の重篤な副作用(攻撃性、衝動性、自殺念慮、自殺企図、依存性等々)を知らずに服用し続けたのかもしれません。または知っていたのかもしれません。
そして、やめた時の不安の大きさは並大抵のものではないといえるでしょう。うつ病は本当に辛いものなのです。しかし、飲み続けたとしても悪化することはあっても改善することはないのです。一生服用し続けることになる可能性が高くなります。その間に脳や体のあちこちが大きな損傷を受けたり、自死に至ったりしてしまいます。これが向精神薬なのです。
以前のルームだより(7/23)でもお伝えしましたが、薬を減らす、あるいは、薬をやめる前に意識を変えていかないと絶対にいけないと強調しています。意識が変わっていないのに減らしたりやめたりすると、禁断症状が出て「やっぱり無理」と思い、負けてしまうのです。
意識を変え減薬・断薬をする強い決心をし、減薬や断薬を指導する医師のもとで取り組んでいけば、現在精神科にかかっている方の9割は改善すると内海医師や銀谷医師は言っています。ただ意識を変革し、精神科の背景をよく理解してからでないと、絶対に減薬や断薬をしてはいけない。先に精神や哲学を明確にして、自分が至らなかったとわかってからでないと精神薬は減らせないと内海医師は述べています。併せて7月23日の本ルームだよりを参照していただければと思います。