うつ病を克服した方のお話①〔うつ歴〕(7/16)

 うつ病を克服された方のお話を原文のまま、ご本人の承諾を得て紹介したいと思います。2021年7月11日に投稿されたブログ(田舎もんの生業術)です。

【はじめてのうつ症状】
 はじめてうつ症状が出たのは、今から10年以上前のサラリーマン時代のことでした。仕事中に脳にモヤがかかったような何ともいえない感覚に襲われ、徐々に仕事に身が入らなくなっていったのが私のうつ病生活の始まりでした。如何せんはじめての経験だったため、とても辛く葛藤の日々が続きましたが、休職することもなく通院と服薬である程度症状を改善することができました。

【転勤でうつが再発】
 最初のうつ症状は約1年程度で何とか回復することができ、その後も以前のように変わらず仕事をすることができるようになりました。しかし、度重なる転勤と過酷な業務によってうつ病を再発してしまいました。

 はじめてのうつ症状の時と比べても、とても症状が重く、通勤もままならない日々が続きました。以前にお世話になった心療内科を受診したところ、前回より重い症状だと告げられ、そこからしばらく自宅療養生活に入ることになりました。最初の発症から約10年以上が経過していましたが、当時の教訓を活かせず無理をし続けた結果だったのだと反省しています。

【会社を退職】
 比較的重かった症状も、約一ヶ月の休職と自宅療養によって何とか回復に向かうようになりました。

 復職後はとにかく無理だけはしないように心掛け、仕事もプライベートもなるべく規則正しい生活を送るように努めました。おかげさまで以前のような日常生活を送れるまでに回復することができました。それから程なくして約30年勤めた会社を退職することを決意しました。

 これはうつ病で心身を壊したこともありますが、「自分の人生は本当にこのままで良いのか」という長年の思いの答えだったのかも知れません。もともと猪突猛進タイプだったこともあり、数ヶ月悩んだ末に遂に人生の大きな決断を下したのです。

【2度目の再発】
 長年勤めた会社を辞めてまで私が挑戦したかったのは「カフェの開業」でした。もともとコーヒーが好きで、他人とのコミュニケーションが得意だったこともあり、いつかは自分のカフェを持ってみたいと思うようになりました。そこにうつ病という転機が訪れたことによって、いよいよ現実味が帯びてきたというわけです。

 もちろん家族にも相談しましたし反対もされましたが、一度きりの人生自分らしく生きてみたいという強い思いもあり、何とか家族を説得し夢を実現することができました。開業まではいろいろ勉強もしましたし、スクールにも通い、本当にワクワクした充実した日々を過ごしました。満を辞して開業したカフェも数週間後にはある程度軌道に乗り、すべてが上手くいっていると信じていました。

 しかし、そんな思いを嘲笑うかのようにうつ病の再発が間近に迫っていたのです。開業から僅か二ヶ月余りで体調を崩しがちになり、チョクチョクお店も休むようになりました。これまでの開業準備とワンオペによる疲労、来店者数や売り上げなどの精神的疲労が重なったのだと思います。

 「このままではダメだ」「こんなはずじゃない」という思いと裏腹に心身はもう限界でした。他にもいろんな要因はあったのですが、開業後三ヶ月でお店を休業することになり、再度心療内科のお世話になることになりました。そうです、再びうつ病が再発していたのです。

【現在に至るまで】
 その後は約2年程度自宅療養と通院を繰り返しました。もちろんその期間は無収入のため、毎日が不安に苛まれながらとても辛く長い日々が続きましたが、今はこのようにブログを書けるまでに回復しました。

 二度目の再発から数年間は良くなったり悪くなったりを繰り返しましたが、ここ半年近くは心も身体も安定しており、現在ではとても心穏やかで健康的な生活を送っています。

 初めてうつ症状が現れた時の原因は書かれていませんが、再発の原因は度重なる転勤と過酷な業務となっています。2度目の再発は、これまでの開業準備とワンオペによる疲労、来店者数や売り上げなどの精神的疲労が重なったのが原因のようです。

 次回は、実際にどのように克服されていったのかを紹介します。

<田舎もん生業術(うつ改善方法のまとめ。私はこうやってうつ病を克服しました。)>より

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