「向精神薬をのむ子ども」の放送を見て、一部の児童精神科医が薬を飲んで落ち着ているお子さんや家族の方に不安を与えると言って、NHKに抗議したそうです。
自分の投薬に自信があり適切であると思えば、不適切な投薬で副作用を出した本放送をむしろ歓迎するはずです。そして、不安を与えるということは、その児童精神科医も自分の患者さんに同じ薬を処方していると考えることができます。尚且つ、インフォームドコンセントをしっかりしていたのか、という疑問も浮かんできます。インフォームドコンセントで十分に副作用のリスクを知らされた上で、それでも薬物治療を選択したというのであれば、それはその人の判断であるため、別に被害の実態が報道されても問題はないはずです。
向精神薬は、一時的に落ち着いているように見えても、やがて効かなくなり薬を増やすか変えるかして、何年も飲み続けることになる場合が多く見られます。同じような重篤な副作用が出る可能性があります。今は落ち着いているとしていてもです。また、落ち着いていても無気力になっているかもしれません。
本放送は、落ち着いている方々に早く情報提供ができ、その方々のためにもなっていると思います。不安を与えるという発言は、本当にその方々のためになっていると考えているのでしょうか。向精神薬で重篤な副作用に悩まされている子どもたちが多くいることは、紛れもない事実なのですから。
あれから8年が経ちました。しかし、向精神薬の多剤投与は続いています。それとともに若い世代で自殺する人も増え続けています。日本の将来が心配でなりません。