それまでの食の取り組みに加えてミネラルを強化
お母さんは無添加の自然食品の店で働き、食事と病気の関係に関心を持っていたので、りんちゃんが小学校に上がった時期から、食の取り組みを強化していきました。
無農薬
それまでも、アレルギーがあるため乳製品は与えず、小麦も避けていました。無農薬の野菜や化学物質不使用の食品を使い、幼稚園の年長組のころからは、体調がひどく落ちているときのみ、健康食品(野菜ミネラルの濃縮)を使用していたそうです。
しかし、「発達障害にクスリはいらない」を読んで、日常的なミネラル補給を強化しようと、煮干し、アゴ(トビウオ)、コンブの粉末だしやオリーブ油を、しっかり使っていただくことにしたのです。毎食、いろいろなおかずに混ぜるほか、粉末だし、ソバ粉、オイルで作るスープなども飲ませるようになりました。
こうした食の取り組みのなかで、お母さん自身のことも振り返っていました。「私自身、子どものころからパン食が多く、冷凍食品、食品添加物などをたくさんとっていました。結婚するまでは頭痛や生理痛のための痛み止めの薬や、抗生剤を常用しており、子どもにも何かしら影響があったのかもしれません」とお母さん。
りんちゃんに変化が見られたのは、食の取り組み強化から2週間後のことです。「すぐ怒ったり、キレたりしていたのが、些細なことでは怒らなくなりました。妹とケンカしては、物で叩いたりつねったりしていましたが、それもなくなりました。『あっ、ここでキレる』と私が予測する場面でも、キレないのです」。
化学物質過敏症特有の、体の不調もへりました。例えば、放課後デイサービスに行くと、トイレの芳香剤に反応して、必ず右目を真っ赤に腫らして帰ってきていたのが、目が腫れなくなったのです。
りんちゃんにはぜんそくもあって、走るとすぐセキが出ていましたが、夏休みには、走っても大丈夫になりました。
以前は学校から帰ってくると、疲れ果てていましたが、そんなこともなくなり、嫌がっていた宿題や翌日の支度も、さっさとするようになりました。朝早く起きて、登校前に本を読んだり勉強したりもするようになったそうです。
また、免疫力も強くなりました。以前はインフルエンザにかかると、そのまま数ヵ月ほどぜんそくの発作が出ていましたが、それもなくなったのです。
(つづく)
引用:発達障害にクスリはいらない 内山葉子・国光美佳著 マキノ出版