アメリカの癌患者が減少した理由(7/15)

1975年、上院に「栄養改善委員会」を設置

 1970年代、心筋梗塞や癌、脳梗塞、肥満などの生活習慣病が多かったアメリカでは、1975年、上院に「栄養改善委員会」が設けられ、医学者に「全世界の栄養状態と病気の状態」を調べさせたのです。2年後に、5000ページにも及ぶ調査報告書が出されましたが、その冒頭に「アメリカの反省」が載っています。これを見たマクガバン上院議員が「我われはばかだった。我われは造病食、殺人食を食べていた」と涙ながらに上院で演説したという話は有名です。

その主旨を要約すると、以下のようになります。

1. 1日のエネルギー摂取量の55~60%を炭水化物にする
2. 1日のエネルギー摂取量の30%まで、脂肪摂取を減らす
3. 飽和脂肪酸(バター、ラードなど動物の脂)と不飽和脂肪酸(魚油、植物油などの油)の摂取量の比率を同等にする
4. コレステロールの摂取量を1日30mgまでに減らす
5. 砂糖の摂取量を40%減らす
6. 塩の摂取量を1日3gまでに減らす

そして、以下のようにまとめています。

 

 具体的には、くだもの、野菜、未精白の穀物、鶏肉、魚、スキムミルク、植物油の摂取を増やし、牛乳、肉、卵、バター、砂糖・塩・脂肪の多い食物の摂取を減らすことによって、この目標は達成されなければならない……。

和食こそ世界一の健康食

 以来40年、アメリカ人は和食こそ世界一の健康食であることを理解し、ふだんの食生活でも米や豆腐・味噌などの豆製品、魚介類を多くとるようになったのです。その結果、2011年には1977年に比べて心筋梗塞による死亡数が58%、癌による死亡数が17%も減少しました。先進国のG7加盟国としては、唯一癌死亡者が減っている国なのです。

 皮肉なものです。アメリカの影響を受けて日本は小麦粉製品、乳製品、砂糖を多く摂取した結果、癌患者を増やし、アメリカはその逆で日本の食文化を取り入れ、癌患者を減らすことに成功したのです。「和食こそ世界一の健康食」と言っても過言ではないと思います。今こそ、私たちは和食中心の食生活に戻していく必要性を強く感じます。そして、ワクチンではなく和食中心の生活を推進していくことこそ、国の役割だと思います。

「生活習慣病大国」アメリカでガン死亡者数が減った理由
生活習慣病が多かったアメリカで、国を挙げて栄養改善に取り組んだところ、G7構成国で唯一ガン死亡者が減少する結果となった。

 

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