最近、以前にはなかった「子どものうつ病」が精神科医によってつくられました。そして次は「子どもの強迫性障害」が精神科医によってつくられました。
日本ではオーラップという古い薬を除き、小児に対する適応を取得した向精神薬は長い間ありませんでした。最近は以下の向精神薬が小児に対する適応を取得しています。
2007年 コンサータ(ADHD)
2009年 ストラテラ(ADHD)
2016年 リスパダール(小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性)
2016年 エビリファイ(小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性)
2017年 インチュニブ(ADHD)
2017年 ルボックス及びデプロメール(強迫性障害)
ADHD(注意欠如多動性障害)ばかりではなく、2016年から自閉症スペクトラム症にも、向精神薬が使われるようになってしまいました。リスパダールもエビリファイも大人の統合失調症に使われる抗精神病薬(劇薬)です。子どもの場合、処方量を少なくしますが、様々な副作用が見られます。
そして、今度は「子どもの強迫性障害」にルボックス及びデプロメールが承認されました。両方ともSSRIです。SSRIの初めての小児適応です。発達障害ばかりではなく、子どもの精神症状にまで広げられてしまいました。
食事、環境、人間関係、自分自身の問題などに起因して精神症状が現れる場合がほとんどです。その原因を考えずに薬に頼るのは薬の持つ依存性に陥るばかりではなく、現実を回避してしまう自分自身の問題を生み出してしまう可能性さえあります。
多くの精神科医は、受診した人が「毎日、必要がないと思っていても、何回も何回も手を洗ってしまう」と言えば、「それは強迫性障害ですね。お薬を出しましょう」と言うと思います。患者が何か言えばすぐに病名をつけ、薬を出します。
そして、SSRIの初めての小児適応もドル箱になると見込んだ精神医療産業が、なりふり構わず子どもへと対象を広げたのです。
こんな注意書きが・・・
↓ ↓ ↓
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【効能・効果に関連する使用上の注意】以下の下線部を追加
(2)強迫性障害(小児)に本剤を投与する場合は、保護者又はそれに代わる適切な者等に自殺念慮や自殺企図があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
【用法・用量に関連する使用上の注意】以下の下線部を追加
[強迫性障害(小児)]
本剤投与により自殺念慮、自殺企図があらわれる可能性がある。本剤投与中は定期的に安全性及び有効性を評価し、漫然と投与しないこと。(「効能・効果に関連する使用上の注意」、「その他の注意」の項参照)
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販売開始直後は「魔法の薬」「副作用がない」と言われてきたSSRIですが、全世界で記録的なヒットとなり散々売り抜けた後、効果自体はプラセボ(偽薬)と変わらず、小児や若年成人に至っては効果がないどころか自殺行動などの危険性を高めることが明らかになりました。
世界中でその危険性が明らかになったにもかかわらず、日本ではリスクの高い小児に向けて販売承認してしまったのです。
子どもたちが本当に危ないです。
ADHD治療薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、睡眠薬を処方されようとするお医者さんにお願いします。今まで、重要な基本的注意をご本人やご家族の方に伝えてこなかった方は、ぜひ、正確に伝えてほしいと思います。 |