なぜ、精神科医療の現場で虐待や不適切な医療行為などが起きているのでしょうか。西前弁護士は、要因の1つとして、精神科医療の「ビジネス化」を挙げています。
西前啓子弁護士
(2021年9月8日/東京都内/弁護士ドットコムより)
「日本の精神科病院の約8割は民間病院(私立の病院)です。精神科医や病院数も増え、問題がある医師が流れ込んでいるようにみえますし、作った病床を埋めようとする経営努力から、患者の命や尊厳を軽視した行き過ぎたビジネス化が進んでいると感じます」(西前弁護士)
「業界全体をみても、今や範囲を子どもにまで広げ、子どもたちに『発達障害』と診断をつけて、投薬をおこなうようになってきている背景にあるのは、いわゆるマーケット戦略に思えます。未来を担う子どもたちが、小さいころから薬漬けにされてしまう現状に危機感を感じています」 (西前弁護士)
一方で、小倉さんは、「精神医療が治外法権になっているのではないか」と語っています。
小倉謙氏
(2021年9月8日/東京都内/弁護士ドットコムより)
「たとえば、外科手術のように、病気(癌など)や回復の度合いについて見えやすい分野と比較すると、精神医療はかなり見えにくい部分があります。そのため、診断根拠も治癒根拠も医師の主観で決められるため、問題があっても医師の都合の良い解釈がまかり通るため、法の網をくぐりぬけることとなっています」
「さらに、精神医学は治療というよりも保安という目的で発展してきたという歴史があります。もともと、精神障害の人は危険人物だとみなされ、保安のために隔離されてきました。そういった歴史的背景もあって、患者の人権を考えない医師が出てしまうのではないか、とみています」(小倉謙氏)
弁護士さんも危機感を感じています。発達障害の早期発見と支援と称して、製薬会社が政治家と連携しています。そうすると精神科医は政治家のお墨付きをもらっているのですから、詫びれもせずに子どもたちに向精神薬を処方していきます。とうとう、覚せい剤原料が含まれているビバンセまで発売してしまったのです。
精神医療は、診断根拠も治癒根拠も医師の主観で決められるため、問題があっても医師の都合の良い解釈がまかり通るため、法の網をくぐりぬけています。もはやこうなると、「医は仁術」といった言葉は死語になってしまったといっても過言ではないと思います。
引用:弁護士ドットコム(2021年10月16日 07時59分配信)