薬の投与-子どもたちがあぶない!(11/17)

発達障害者支援法により

 「薬を抜くと、心の病は9割治る」の著者、銀谷翠医師は(精神科専門医)は、私たちが研修医だったころの精神科医は、「子どもにはできる限り薬を投与しないように」と指導していましたと、述べています。

銀谷翠医師

 ところが2005年に施行された「発達障害者支援法」により、それまで心の病とは無縁だった多くの子どもたちが、ADHD(注意欠陥多動性障害)やLD(学習障害)、自閉症と診断されるようになってしまったのです。

 2000年代の後半ぐらいから、子どもにもうつやパニック障害といった精神障害があると、社会の論調が変わってきました。そして向精神薬を使ってもよいという医師が増え、子どもへの薬を躊躇しない医師が多くなってきました。

 それでも家族は基本的には「子供に精神科の薬なんて…」と嫌がりましたが、薬を投与しないと暴れたり物を投げるなど、友だちに迷惑をかけたり家庭で手がつかられなかったりする子どもが増えてきたため、子どもに向精神薬を飲ませるようになってしまったのです。また学校から精神科へ行くようにすすめられる場合もあります。

 その結果、常に眠くなって学校の成績が伸びなくなる、女子の場合は月経が乱れるの副作用が起こります。重篤な副作用になると、自殺念慮、攻撃性、敵意、肝障害、心臓発作などが見られます。

 向精神薬で増加する子どもの自殺や事件

 アメリカの「市民の人権擁護の会」によると、アメリカに向精神薬を服用している子どもたちが400万人以上もおり、約150万人が自殺に追い込まれる可能性のある抗うつ薬を服用しているそうです。

 そのため、多くの死亡事故や暴力事件が引き起こされ、ようやく向精神薬を見直す運動が盛んになってきました。その結果、銃乱射の原因のひとつとされる抗うつ薬が販売停止となり、向精神薬の投与を禁止する法律も次々と制定されるようになりました。

 しかし、アメリカで売れなくなったしわ寄せが、今、日本にきているのです。向精神薬の販売市場はアメリカから日本へと移行し、危険な向精神薬が子どもたちに投与されているのです。子どもたちを犯罪の加害者にしないためにも、自殺させないためにも、このような薬の乱用を絶たなければないと、銀谷医師は述べています。

 仮に薬に効果があれば、若い世代の自殺は減少するはずです。しかし、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国では日本のみであり、その死亡率も他の国に比べて高いものとなっています。残念なことに薬の増加とともに自殺が増えているのです。私たちは知らず知らずのうちに、諸々の情報に上手に取り込まれているような気がしてなりません。何が大切なのか、真実を見抜く目を養っていくことが今、重要なのではないでしょうか。

 ADHD治療薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬、睡眠薬を処方されようとされるお医者さんにお願いします。伝えていない方はぜひ重要な基本的注意をご本人やご家族の方に正確に伝えてほしいと思います。

参考文献:「薬を抜くと、心の病は9割治る」銀谷翠著 神津健一監修 素朴社

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