内山葉子医師
葉子クリニック医院長の内山葉子医師は、次のように報告しています。「適応外の向精神薬使用の実態が調査されていました。双極性障害(※1)への抗うつ薬処方は基本的には適応ではありません。しかし、双極性障害2,705例中1,107例(40.9%)に抗うつ薬が処方(男性492例(44.4%)、女性615例(55.6%))されていました。BMC sychiatry2020。これはあくまでも氷山の一角です」
更に内山医師は続けます。「安易に内科で『軽いお薬だから』とデパスがよく出ます。いまだにです。つい先日も、4年間も内科でデパスが出ていたと、通院して2年経つ患者さんから告白されました。『デパスは依存性があるから他の薬に変えてもらうように精神科に行ってください』と、その内科の先生に言われたそうです。と~っても不快に感じました。『そう思うなら4年も出すな!』と」
「まず、なぜ眠れないか、なぜ症状がおこるのか。原因をきちんと見ずに、一時的ならまだしも年単位で薬を出し続けるのはよくありません。皆さんもよくよく使用してる薬を見てくださいね」 と、内山医師は、私たちに薬の副作用に注意することを促しています。
ある精神科医は薬を飲みたくないと言う受診した人に対して、「飲むだけ(口を入れる動作をして)だから、とりあえず飲みましょう」と言って飲ませようとしています。この医師はこの人がなぜ飲みたくないと言っているのか、飲みたくない理由を理解し薬のリスクを隠さず十分に説明して、服用を納得するようなインフォームドコンセントを十分に行っているのか、受診した人の考えを尊重しているのか、等の疑問が湧き起ってきました。
私たちは、薬を使用するかしないかの判断をするためには、まず副作用を含めた薬の情報を入手する必要があると思います。特に向精神薬には注意が必要です。その際、薬局から出された説明書ではなく、医師への指示が書かれた説明書で調べるのがよいと思います。
私は、ネットで「医療用医薬品〇〇〇〇〇(薬品名)」と入力して向精神薬(降圧剤等、他の種類の薬の情報も入手できます)の情報を入手します。
※1 双極性障害とは、そう状態(気分の異常な高揚が続く状態)とうつ状態(気分が沈む状態)とが交互に見られる症状です。