教員が日常生活に支障をきたす精神症状を自覚した時どうするか(3/7)

 これまで5回にわたって「教員の精神症状による休職者が皆無になるために」を考えてきましたが、不安と緊張で毎日ドキドキしている、恐怖感がある、眠れない、やる気が出ない、学校に出勤したくない、食欲がない等、ネガティブな思考や感情に囚われ日常生活に支障が出てしまい、休暇を取得したいと思うようになるのは自然なことです。問題はこのような状況に陥ってしまった時、どうするか、です。

 以下、「精神科や心療内科を受診していない初期の段階」「改善せずに休暇を取得する場合」「抗うつ薬などの向精神薬を服用しながら休暇や休職を取得している段階」で考えます。

【初期の段階】

 まず第1に原因と向き合うことだと思います。複数の同僚から虐められている、管理職のパワハラが続いている、保護者からの強い苦情が辛い、学級の子どたちとの人間関係が好ましくない、等の原因が考えられます。
 第2に原因から取るべき行動を考えます。例えばみんなで声を上げ訴える、カウンセリングやコーチングを受ける、必要ならば警察などの第3者機関に相談する、原因が管理職でない時は管理職に相談する、等で改善を図ります。絶対に泣き寝入りをしないことと精神科や心療内科を受診しないことです。

【改善せずに休暇を取得する場合】

 6日以上の休暇を取得する場合、医師の診断書が必要になってきます。精神症状の場合、精神科か心療内科に受診することが多いと思います。その際、向精神薬(睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬)を処方せずにカウンセリングを主体に改善を目指す医療機関を受診することが大切だと考えます。

 診断書には病名の欄があります。精神症状の病名(うつ病、統合失調症など)は身体症状の病名とは違って、レントゲンや血液検査などでは分からず、医師の主観によってつけられます。医師の主観ですから、医師によって病名が異なることもあります。仮に医師にうつ病と告げられても「自分はうつ病なんだ」と思い悩まないことです。また、「自分はうつ病なんだから休めるんだ」「うつ病だから仕方がない」と精神症状の原因を「うつ病」(疾病利得)にしないことです。精神症状の原因は「初期の段階」で述べた通りです。決して向精神薬を処方する精神科や心療内科に受診しないことです。

 休暇中は規則正しい生活と精神症状の改善をもたらす食事を摂ることを勧めます。また、原因を取り除く行動を起こしていきます。友人、カウンセラー、向精神薬を処方しない医師と共に考えるのも効果があると思います。

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【向精神薬を服用しながら休暇や休職を取得している段階】

 現在の精神症状の原因は病気ではなく別にあるのだから向精神薬は必要はないと考え、減薬から断薬をしていくことを勧めます。減薬・断薬は強い決心がないとなかなかできないといわれていますが、減薬や断薬を指導する医師のもとで取り組んでいけば、現在精神科にかかっている方の9割は改善すると内海医師や銀谷医師は言っています。

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 減薬・断薬を進めながらこれまでの生活を見つめ直されてみたらいかがでしょうか。そして改善すべきことがあったらそのことに取り組んでいくと良いと思います。特にポジティブな言葉を意識して使うことにより、気持ちが前向きになり将来への展望が開けてくると思います。

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