子どもの主体性を育む道徳の授業(その7)(11/2)

感想文を分析する

以下は子どもたちの感想です。

【正直に言う(13)】
o 友だちとゲームや遊びをする時はルールを絶対に守る
o むずかしかったです。自分だったら言うかな…
o これからはやったことをぜったいに言おうと思った
o おもしろい授業でした。私は勇気を出して言いたいです
o 言わなかったこうかいと言ったこうかいだったら言ったこうかいの方がいいと思った

【言わない(3)】
o みんながうれしかったり楽しかったりしていたら、とてもいいと思うので言わない
o もしも自分だったら言うとみんなに責められるかもしれないし、みんながよろこんでいる時は言わない方がいいと思う
o 言っても言わなくてもこうかいするから、次からはその場で言えばいい

【迷う(11)】
o とてもまよいにまようお話でした。私はこうなったらどうしようと思います
o もし言ったらみんなが悲しむ。でも言わないともし気づいている人は嫌だし、でも…
o 言うか言わないかで、心がすごく変わる

  葛藤の場面で、話し合う前の言う考えは19人言わない考えは8人でした。話し合った後の言う考えは12人、言わない考えは15人で、言わない考えが増えました。話し合いの直後においては、言う難しさを感じたために言うから言わないに考えを変えた子どもが増えたと考えられます。

 書く段階になって、正直に言うと考えた子どもの感想の多くには、絶対、勇気、後悔などの決意が感じられます。
 言わないと考えた子どもは、正直・誠実と信頼友情における価値葛藤が起こっていると思われます。そこには正直・誠実の価値を考えたゆえの結論ではなかったのかと、思われます。 
 11名の迷っている子どもたちは話し合いの終わりの時には言わないと考えていたけれども、感想を書く時になってもう一度考えを認識し直し、判断がつかなかったものと思われます。この迷いは正直・誠実と信頼友情との価値葛藤、責められたら嫌という心理葛藤からのものであり、価値を深めたことによるものと考えます。

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