思考が単なる言葉やイメージにすぎないと理解したら(12/7)

「私は~である」という考え方を持っていることに気づいている

 私はネガティブな思考が浮かんできた時、上記の表現に言い換えるようにしています。例えば、運転中に「スマホが見たい」という考えが浮かんできた時、「私はスマホを見たいという考えを持っていることに気づいている」と言い換えます。または「私はスマホを見たいという考えを持っている大西さん」と言います。このように言い換えることにより、スマホを見たいという思考から離れる感覚が得られます。これが脱フュージョンの一面です。

 私の場合、上記のように言い換える習慣をつけることにより、思考から距離を置き、運転に集中する意識を高めています。運転ばかりではなく、部屋が汚れている時に、「掃除をしたくない考えを持っている自分に気づいている」と心の中で繰り返します。こう言うことで、掃除をしたくない考えから距離を置くことができます。

 ここでみなさんにも脱フュージョンを体験していただければと思います。下記の順番で行ってみてください。

 

 

 

 

(1) ネガティブな自己評価を、「私はXだ」という形に言い換えてください。例えば、「私はすぐにキレる」「私は負け組だ」などです。
(2) その思考に10秒間フュージョン(囚われる、心を奪われる)してください。その思考に埋没し、それが正しいと自分に言い聞かせてください。
(3) 「私はXだ」という文を、もう一度心の中で繰り返してください。ただし、今度は、「『私は~である』という考え方を持っている」という言い方に直します。例えば、「私は『私はすぐにキレる』という考え方を持っている」というように直します
(4) さらに、もう一度言い直します。次は「『私は~である』という考え方を持っている、ということに気づいている」という言い方に直してください。例えば、「『私はすぐにキレる』という考え方を持っている、ということに気づいている」です。

 いかがでしょうか?思考から自分を切り離す感覚、思考から距離を置く感覚を味わえたでしょうか?よく感じ取れなかった時は、別の思考を使ってもう一度試してみてください。

 このテクニックはもちろん、思考だけでなく気持ちや衝動に対しても有効です。その場合は、「私は不安な気持ちを抱いていることに気づいている」「私は逃げ出したい衝動を抱いていることに気づいている」という言い方にすればよいのです。

つづく

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