発達障害の本質は「代謝障害」(その3)(9/15)

現在は発達障害の可能性のある子どもが増えている

 安易に診断されている発達障害ですが実際、「上手にコミュニケーションがとれない、じっと座っていられない、集中できない、キレやすい」という子どもたちが増えています。


 私が教師になった頃はどの学級も落ち着いていました。それが20年ぐらい前からは、小学校の低学年でも「じっと座っていられない」「キレやすい」といった子どもが見られるようになりました。このような子どもが1人いると、周りの複数の子どもが同調して騒ぎ出す子どもが出てくるようになりました。やがて授業が成立しない「学級崩壊」へと進んでいく学級が見られるようになったのです。

 子どもの本質は変わらず薬も飲んでいないのに、なぜそのような子どもが見られるようになってきたのでしょうか。発達障害の原因については、一般的には「生まれつきの脳機能の障害によるもの」「遺伝子の問題が関係して起こる」などと考えられていました。そして今でも、広い意味での精神疾患の1つとしてとらえられています。しかし、脳機能障害や遺伝子の問題だけだと昔も今も発達障害の子どもの数は変わらないはずです。安易な診断の数を差し引いたとしても実数は増加していると考えられます。


内山葉子医師
「発達障害に薬はいらない」より

 そのような現状において、左(スマホでは上)の写真の内山葉子医師は発達障害の子どもの精神的な症状(イライラ、不安、キレやすい、コミュニケーション困難、多動、注意散漫など)に加えて、ほとんどの場合、以下のような身体症状が見られることに注目したのです。

・寝ない、寝つきが悪い、睡眠の途中で目を覚ます。
・疲れやすい、同じ姿勢を保つことが難しい、ごろごろする。
・偏食が多い。
・おもらし。
・音に敏感。
・チック(意志と無関係に体の一部の動きや発声を繰り返すもの)。
・頭痛、筋肉痛、腹痛。
・吐き気、便秘、下痢、少食、過食などの消化器症状。
・じんましん、ぜんそく、鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患。
・中耳炎、扁桃炎などの感染症の繰り返し(免疫力の低下)。
・筋力のなさや体力不足。
・細かいことが苦手、不器用、筋力不足、歩行の違和など(運動機能障害)。

 精神的な症状に加えてのこのような身体症状は何を意味するのでしょうか。

参考文献:「発達障害にクスリはいらない」著者:内山葉子・国光美佳 マキノ出版

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