発達検査の数値が大幅に改善して絵も伸びやかに(3/3)

 健ちゃんは、小学校2年生の夏休み直前から、食の取り組みを始めました。

 最初は、偏食がひどかったので、食事に少しずつ、煮干しやアゴ(トビウオ)、コンブなどの天然だしを入れたり、混ぜたりすることから始めました。給食の時に持参する弁当にも、煮干しやコンブなどのだしを入れたり、ふりかけにしたりと工夫を重ねました。

 少しずつの取り組みでしたが、確実に変化が見られ、1ヵ月後には夜尿が始まりました。また、それまで1段1段しか下りることができなかった階段を、駆け下りることができるようになりました。

 2カ月後の9月中旬、発達検査が行われました。すると、入学前に69だった数値が84となり、普通学級でやっていけるレベルという検査結果が出ました。黒板の字をノートに書き写すことも、しだいにできるようになったのです。

 

 この間、健ちゃんは絵の表現が変わっていきました。表現1は、学校で戸惑うことが増えてきたころに描いた線路の絵です。×印がたくさんついています。絵の裏側には解説が書かれており、「行き止まりです、行き止まりです」の文字。この時期の感覚過敏や不安感を反映しているかのようです。
 表現2は、食の取り組みを開始して2ヵ月、普通学級に残ることが決まり、しだいに感覚過敏が緩和されていった頃です。同じ線路の絵ですが、緑・青・黒の絵の具で、上に伸びる草と電車、線路が、力強く伸びやかに描かれています。黒板の文字をノートに書き写せるようになり、心身の安定が感じられます。

(つづく)

 

「発達障害にクスリはいらない」内山葉子・国光美佳著(マキノ出版)より

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