カウンセリングの新しい療法、ACT(アクト)の考え方を生かして(その9)(4/29)

「観察する自分」は、「空」のようなもの 

 これまで、脱フュージョン(思考に巻き込まれたり囚われたりしない)、アクセプタンス(感情をあるがままに受け容れる)の理解とエクササイズ(練習)が必要になるとお伝えしてきました。それは、ひとえにACTが、私たちに豊かで充実した人生を送ってほしいと願っているからです。そして、今回は、脱フュージョンとアクセプタンスを更に促進させていくために、「観察する自分」をお伝えします。

 観察する自分というのは、意識して自分が思考を観察する、自分が感情を観察するのです。観察する自分は、「空」のようなものです。思考や感情は天気のようなものです。天気は絶えず変化しますが、ひどい荒れ模様になったとしても、空はまったく被害を受けません。そして空にはどんなひどい天気でも受け容れる余裕がありますし、その悪天候も永遠に続くことはありません。天気はどんどん変化していきます。


 

 私たちは時々、空がそこにあることを忘れてしまいますが、それでもやっぱり空はそこにあります。空を見られないときもあります。もし雲の上まで上がっていくことができたら、たとえ分厚い真っ黒な積乱雲が立ちはだかったとしても、その向こうは雲ひとつない晴天がどこまでも広がっています。この場所では、思考や感情に悩まされる必要がありません。安全な状態で思考を観察し、受け容れることができます。

 私たちは、この「雲ひとつない晴天」の部分をエクササイズを重ねて、意識して感じ取っていくことができるようになっていきます。そして、思考や感情を観察し受け容れながら、豊かで充実した人生を送ってきたいものです。

 

 次回は、ちょうど10回目となります。ACTのすべてをお伝えすることはできませんが、マインドフルネスをお伝えして、取り合えずACTのお話を終わりたいと思います。

参考文献:よくわかるACT 著/ラス・ハリス 星和書店

 

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