遺伝子より環境の方が大きく影響する発達障害①〔遺伝子多型の影響を受ける〕(7/22)

 以前、「発達障害の本質は『代謝障害』(9/11),(9/13),(9/15),(9/17)(9/19)」とお伝えしましたが、今回は、「発達障害も遺伝子より環境の方が大きく影響を受ける」ということをお伝えしたいと思います。内容が難しくなりますが、しくみを理解することで発達障害改善に向けて、主体的に取り組んでいこうとする意識が強くなると考えます。

 メチレーション回路の歯車をスムーズに回すために不可欠なのが「酵素」です(ルームだより2020/9/21参照)。酵素の基本的な構造を決めるのは、遺伝子情報です。そこにトラブルがあると、酵素が働きにくくなります。

 遺伝子情報の一部が正常と異なってしまう遺伝子トラブルのうち、その集団に多く見られるものを「多型」といいます。多型の中でもよく見られるのが、遺伝子の配列の1か所だけが正常と異なるSNPs(スニップス)(一塩基多型)と呼ばれるものです。

 現在では、SNPsを含む遺伝子多型は、その人の病気のかかりやすさ、体の強さ、心身の状態などを左右する要素の1つであることが分かっています。

 発達障害も、この遺伝子の影響を受けています。ある酵素の多型を、両親の一方から受け継いでいる場合を「ヘテロ」といい、その働きはおおむね正常の6から7割になります。両親ともから受け継いでいる場合を「ホモ」といい、その働きはおおむね正常の3から4割になります。

 代謝のスムーズさを道路に例えると、正常な人は広い道路で車がすいすいと通れる状態なのに対し、ヘテロの人は少し狭い道路となり、ホモの人はかなり狭い道となって、一度に多くの車は通りにくい状態になります。

 現在では、代謝にかかわる多型を、多く受け継いでいることが、発達障害の1つの要因になっていることが分かってきています。
「それなら、生まれつきのものでよくならないのでは?」
と思われるかもしれません。しかし、ここには、さらにほかの大事な要素が絡んできます。

 子どもは両親からの影響を受けていることがよく分かります。しかし、兄弟姉妹がいる場合、みんながまったく同じ性格であったり体質であったりするわけではありません。両親から受け継いでいるものは同じであっても、その後の環境によってそれぞれ違った性格や体質が形成されていくのではないでしょうか。

「発達障害にクスリはいらない」著者:内山葉子・国光美佳 マキノ出版 より

月ごとの投稿

子どもの心配な行動

 

月ごとの投稿
子どもの心配な行動
大西カウンセリング&個別学習指導ルーム