辛い思考や感情が湧き起ってきたら(12/9)

 前回まではネガティブな思考(考え)に対しての脱フュージョンのしかたについてお伝えしてきました。今回から、辛い思考や感情に対しての対処についてお伝えしたいと思います。

【対処の基本的な考え】
 自分の思考と感情をあるがままにしておきます。その思考や感情が喜ばしいものでも辛いものでも、心を開いてそれを受け容れる場所をつくります。思考や感情にはりあうのをやめ、それが自然と湧き起ったり消えたりするのに任せます。このように受け容れることをアクセプタンスといいます。

【その目的】辛い自分の体験を受け容れた上で、自分の人生を充実させる価値に沿った行動をとれるようにするためです。価値に沿った行動をコミットメントといいます。 

【自分の感情・思考に対して】
・そこにいることをそのままにする。
・その周りの空間を広げる。
・はりあうのをやめる。
・闘うのをやめる。
・共存する。
・柔軟に受け容れる。
・そのままにしておく。
・心を開き受け容れるスペースを作る。
・今いる場所にそのまま置いておく。
・新鮮な空気を与える。
・押しのけるためにエネルギーを浪費しない。

 アクトでは、アクセプタンスとコミットメントの両方を目的としています。

 例えば、あなたが虐待的な関係にあるとした時、
(1) (飲酒、喫煙、思い悩む、心配するといった回避的行為をする代わりに)今抱えているつらい思考や感情を受け容れる場所を作ること、
(2) それと同時に、虐待的な関係を改善するか、あるいはそこから抜け出すか、価値に沿った行動をとること、
をアクトは勧めています。

つづく

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